トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ10)

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トリップ54日目ページ10

～Aside～

ああああー！！しつこい！！！

森「それで、返事は？」

もう遠回しの方法は通じない。多分この人、私が然り気無く断りたいのを分かっててはぐらかしてる。とっても性格悪い←

A「お断りです」

中原中也が目を見開き、そして睨み付けてくる

中也「手前……ポートマフィアに逆らったらどうなるか、分かってんのか？」

分かんないよ。でもマフィアってことだし、きっと痛い目に遭うよね

中也「殺されてぇのか？」

威圧感が私を苦しめる。この場にいるのに堪えられない

ここに連れてこられる前は、身体強化10倍の能力だった。二人倒す事はできなくても、逃げることくらいなら容易いはず……

森「逃げようと考えてるのかね？だが生憎、ここの警備は甘くはない。外には構成員が大勢いるし、ここはビルの最上階。身体強化しても、ここからの高さに耐えられるかな？」

私の思考など簡単に見破られた。おまけにしようとしていた二択さえ不可能と化した

現在窮地。どうすればいいんだろう……

どうする事も出来ず、眉間に皺を寄せながら無言の数十秒間が続く

「全く……君は結構普通じゃないよね」

不意に声がして、1度瞬きをした

目を開けると………

A「ええええええ！？」

私が少し前に囚われていた暗闇……

返り血の鮮血にまみれた牢獄の中にいたのだ。

A「え………どういうこと？」

さっきまで目の前にはマフィアの首領、横には中原中也、後ろには構成員というマフィアに囲まれた状況が一転。辺りには誰もいない

ひとまず助かった……

どうにも逃げ出せないあの状況よりかは今の私は自由の身だ

A「てか……何でここに来たんだろう…」

瞬間移動？でも私は能力を発動させてないし、そもそも今日の能力は身体強化10倍のはず……

それと……最後に聞いたあの声……

女か男かも判別が難しそうな中性的な声……男にしては高く、女にしては低い。そして柔らかというか、朗らかなイメージが浮かぶあの声色…………

A(……もしかして……)

一人心当たりがいたが、あいつが此処にいるわけがないし、居たとして何処からやってきて、どうやって私をここに連れてきたんだ……

考えれば考えるほど謎は深まり、疑問も増えていく

A(駄目だ。きりがない。考えるのは後にしよう)

兎に角此処から出ようと、さ迷い歩き出したその時……

ゴッという、人を殴ったような鈍い音が奥から響いてきた