トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ6)

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トリップ50日目ページ6

～Aside～

少々不服だったものの、面倒事は避けたい。という考えで、私はすっかり昼とは場の違う夜の街へと出掛けていた

ふと小腹がすき、体重のことなんて忘れて、西口五番街へと足を運んだ

すると偶然にも、五番街には太宰さんがいて、此方に気づいたのか話しかけてきた

太宰「おやAちゃん、偶然だねぇ」

笑顔の太宰さんは、この後良いことがあるのだろうか、はたまた良いことがあったのか、嬉しそうだけど此方は全くもって最悪だ

A「ちょ、街行く女性に心中を求める男と友人なんて思われたくない！」

離れようと後ろへ後ずさるも、太宰さんは″酷ぉい″と私が後ろへ進む分前へ進む

すると、いきなり何者かに腕……というか服の裾を掴まれた

何事かと後ろを振り向くと、そこには小さな少女が立っていた

A(この歳から美形だなんて……漫画の世界は都合よく出来てるよなぁ)←

なんて考えてると、少女は

「………見つけた」

と小さく呟いた

そこからの記憶はない。

そして＿＿＿＿現在

A「どこじゃ此処ｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ！！！」

『トリップ47日目』の冒頭へ戻る←

可愛い子に話しかけられたと思ったら、意識なくなるし、目が覚めたら一面真っ暗な知らない場所にいるし……おまけに……

私はチラリと斜め上、私の頭辺り。腕に繋がれた鎖を見つめる

A「何で捕まってんのさぁぁー！！」

叫ぶと、部屋に母音が木霊する。そして微小に動かせる手足をバタバタと動かし、暴れる。ほぼ八つ当たりだ

私の行動に呆れたようにため息を吐き、誰かが正面の扉を開け、入ってくる

漸く光を浴びられたと思ったが、逆に逆光で入ってきた人物が見えない。だが背丈は低そうだ

「んな暴れるな。暴れたって鎖はどうにもならねェし、此処からだって出られねェよ」

声からするに、入ってきたのは男のようだ

男が扉を閉めると、私はやっと入ってきた人物の顔を見ることができた

容姿は……悔しいけど整っている青年だった

赤みがかった茶髪、青い眼、黒い外套を袖に通さずに羽織っている

そして帽子をかぶっていて、低身長。幾つなんだろ

男……青年は喋りながら数段の階段を降り、此方へ悠然と歩み寄ってくる

「お前が芥川の云ってた″太宰と同じ能力を持つ女″か……」

青年が発した太宰と芥川の名に小さく反応する

芥川とは、昨日私達を襲った奴だろう

「お、反応アリか？だろうな。手前は探偵社員。知ってて当然か」