トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ38)

今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:40,775 hit

トリップ82日目ページ38

～Aside～

森「駄目だよ少年。敵はあっちだ」

体制を崩して床へ落ちた敦君を、モンゴメリがポカンとしながら見つめた

森「この場合(ケエス)での逃亡はお勧めしない。その……高が街医者の言葉を信じて貰えるならばだが」

おどおどしながらそう言うが、何言ってる。お前はマフィアだろうが。首領だろうが。一般人のふりしてるんじゃない

森「彼女の言葉を信じるならそのドアから逃げれば気味は記憶を失う。敵の手管も捕らえられた仲間の危機も忘れ、敵は進撃を続ける」

「佳い事を教えよう」と、森鴎外はリボンを握りしめた

森「戦遊(ゲエム)理論研究では危害を加えてきた敵には徹底反撃を行うのが論理最適解とされている。二度と反逆されぬよう此所で徹底的に叩くのだ」

方法がない、と反論する敦君に、敗けぬと高を括る敵は容易いと説く

敦君は探偵社に助けてもらった事を思いだし、再び立ち上がった。その手には、森鴎外が手にしていたリボンがある

何に使うんだ…あれ

ルーシー「お話は終わり？やる気は戻ったのかしら」

「でも終わりよ」というモンゴメリの声と共に、床からアンが手を伸ばしてすり抜けてきた

この部屋そんな事もアリなのか

敦君は上に飛躍し、アンの手から逃れたが、敦君より上空、背後にはもう一体のアンがいた

敦「もう一体！？」

ルーシー「そちらは二人なのだから当然でしょ？」

背後のアンに対応できず、敦君は捕まってしまい、扉は閉じた

A「嘘…敦君まで…」

ルーシー「はいおしまーい★残念だったわね！鬼ごっこはあたしの勝ち！」

わーいと手を広げるモンゴメリの前でいきり立つと、「貴女は駄目って云ったでしょ」と睨み付けられる

ルーシー「貴女の異能、訳がわからないもの。失敗したくないわ。貴女の捕獲は私じゃなくても出来るはずだわ」

捕獲？何を言ってるんだろう。と言うか、私の情報は組合に流れてないのか……調べれば簡単に出てきただろうに

モンゴメリは今度は森鴎外に「どうするのか」と尋ね、また熱弁を始めた。敦君を捕まえられたのは貴方だから逃がしてあげても良い、とか

ルーシー「それとも＿＿おじさまがアンに捕まった時の絶望した顔を見てみようかしら」

森鴎外の背後にはアン。森鴎外は私より前に出て、「試すかね？」と聞き返した

モンゴメリはカタカタと震えているが、私には何が起こっているのかわからない

ただ少し、森鴎外の周りでヒヤッとした感覚に見舞われた