トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ34)

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トリップ78日目ページ34

～Aside～

A「も、り鴎外……！」

谷崎さんが突き飛ばした中年男性……それはかのポートマフィアの首領、森鴎外だった。

敦「えっ、Aちゃんの知り合い…？」

A「いや、知り合いっていうか……それより！」

何でこんなところにマフィアの首領が……。敦君にこいつから逃げようと言おうとした瞬間、森鴎外が私の肩に手を乗せ、言葉を遮った

森「そう。知り合いなんだよ」

態とらしい微笑みを浮かべる彼は、私に耳打ちしてきた

森「私がマフィアであることは言わないでくれ給えよ。＿＿どうなっても知らないからね？」

その声は、脅している訳でも怒っている訳でもなかった。それなのに、とても冷たくて恐ろしい……。私は彼に逆らえなかった

すると前方で、谷崎さんが敵を発見していた。その敵は矢張り組合。昨日の赤髪の少女だった

谷崎「見付けたッ！」

谷崎さんは少女へ手を伸ばした。少女は此方をグルッと振り向き、「遊びましょ☆」と嗤った

そして、気付けば私達は玩具に囲まれた部屋の中にいた

それは、昨日私が一瞬だけ見た部屋と同じだった。昨日は一瞬だけだったのに、どうして今日は空間に存在出来ているのか……

部屋には私達を含め、数十人の人間がいた。恐らくあの交差点にいた人達だろう

ルーシー「ようこそアンの部屋へ。あらもう嫌だわ。こんな沢山の方達に見詰められて。あたし初対面の方とお話するの苦手なの」

赤髪の少女は手を頬へ寄せ、恥ずかしそうに。けれどもベラベラと熱弁し出した

ルーシー「でも駄目ね。ちゃんと説明しなくちゃあ皆さんお困りだわ。きっとすごくお困りだわ。だってこんな見知らぬ所に突然連れてこられたんですもの。あたしだったら心臓が跳び跳ねて＿＿」

谷崎「ナオミは何処だ」

谷崎さんは少女の声を遮り、そして睨み付けた

少女は熱弁を止め、謝罪をした後、小さな窓のついた木の扉に手を向けた

ルーシー「探偵社の皆さんはあちらよ」

扉の向こうには、大きな人形の手で体を捕まれ、気絶した賢治君やナオミちゃん。他の人達も大勢いた

谷崎さんは扉を開けようとドアノブを回すも、鍵がかかっていて開かない

ルーシー「鍵なしでは開かないわ。開くのはあっち」

少女は幽閉された扉とは反対の位置にあるもう一つの木の扉を指差した

その扉の窓から確認すると、外の景色が静止していた

ルーシー「あたしの名前はモンゴメリ。ここはあたしの異能力で創った空間なの」