トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ32)

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トリップ76日目ページ32

～No.side～

フィッツジェラルドはAの首に手刀を入れた。そしてエレベーター内で倒れ込んだAを見下ろし、「さて……」と呟いた

フィッツ「彼女は一体何者なんだ。俺の異能もモンゴメリ君の異能も効かなかった」

赤髪の少女＿＿モンゴメリは焦っていた。今まで自分の異能を使って上手くいかなかったことなどなかったからだ

「大丈夫だよルーシーちゃん！まだどんな異能かはバレてないよ！良くも悪くもアンの部屋に転送できたのは一瞬だけだったもん！」

金髪の少女はモンゴメリの肩を優しく叩き、励ます

「それより、この子置いてっちゃうの～？私この子とお喋りしてみたかったのに」

不機嫌そうにする金髪の少女を、フィッツジェラルドは宥める

フィッツ「ただの社員かと思っていたが……どうやら彼女は強力な異能力者らしい。調べる必要がありそうだ」

「……はーい。でも、代わりにマカロン買ってよね。団長！！フランボワーズのは絶対だよ！」

フィッツ「勿論だ。そのくらい安い」

金髪の少女は渋々受け入れた

ルーシー「……ありがとう。アリサちゃん」

モンゴメリは俯いて、頬を赤く染めてそう言った

「……へへ、うん！」

眩しい笑顔で元気に返事をした彼女の名は

＿＿アリサ・ジーニアス

～Aside～

A「う……」

私は唸り声を上げて目を覚ました。そこは探偵社の医務室で、与謝野さんが傍にいた

与謝野「あ、お早う。あんたエレベーターの中でぶっ倒れてたよ。組合の奴等にやられたんだろ？」

体をお越し、記憶を甦らせる。確かにそう。私は賢治君がいなくなって、それから……

A「はっ……賢治君は！？」

賢治君がいなくなったことを思いだし、ベッドから降りて、医務室から飛び出すと、探偵社のテレビにとあるニュースが流れていた

《事件現場です！ご覧下さい。七階建ての建物が一夜にして消滅してしまいました！》

そこには、ビルが消え、ぽっかりと空いた空間が映し出されていた。そのビルは、ポートマフィアのフロント企業が入っていたそうだ

太宰「逆らう探偵社も用済みのマフィアも凡て消す、か」

A「賢治君……」

消す。この一言で「死」の一文字を連想してしまい、体が震えた

ちがう。そう信じている。大丈夫だ

……とんだ事件に巻き込まれてしまった。組合……侮れない

原作が狂ってないか、後でラファエルに確認しなきゃ

国木田「谷崎これ以上単独で動くな。敦と田中と組んで賢治を探せ！

敵と接触しても戦わず逃げろ！」