トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ28)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:40,778 hit

トリップ72日目：たえまなく過去へ押し戻されながらページ28

～Aside～

敦「同棲なんて聞いてませんよ！」

出社直後、敦君の盛大なる叫びが社内に響いた

A「……お早うございます」

太宰「あぁお早う」

敦「ちょっと太宰さん！！あ、Aちゃんお早う」

果たして何があったんだ……

太宰さんがはははと笑いながら、「部屋が足りなくてねぇ」と言っているが、何の話だ

ナオミ「鏡花ちゃんのお部屋を敦さんと同じ部屋にしよう、って昨日太宰さんが仰って。でも敦さん、それを今日初めて知ったみたいで……」

A「ふぅん、そうなんだ……」

私とも一時期同棲していたけれど、私の時は気にしなかったのに……矢張り可愛い女の子だと動揺するのかそうなのか

ナオミちゃんとは年が近くて、何度か話すことがあり、仲良くなった。また友達作れるなんて思っていなかったなぁ……

こうしてごく普通の生活をしている時、私がいた世界はどうなっているのだろう…とか、友達や家族はどうしているだろう…とか考えてしまう

しんみりとした気分になる訳じゃないけれど、気になるものは気になる

いつの間にか敦君は太宰さんの説得により、鏡花ちゃんとの同棲に賛同していた

国木田「おい太宰。早くマフィアに囚われてた件の報告書を出せ」

太宰「好い事考えた！国木田君じゃんけんしない？」

国木田「自分で書け」

大方じゃんけんで負けた方が報告書を……というのを狙っていたんだろうけど、国木田さんには効かないだろう。一度その手に乗っていそうだからね。

太宰「敦君、今日は君に報告書の書き方を教えようと思う」

敦「こ……この流れですか？」

報告書を書きたくないという気持ちが抑えきれていないですよ太宰さん……。そう思ったけれど抑えておいた

太宰「君にも関わる話だよ。君に懸賞金を懸けた黒幕の話だ」

そういえば、太宰さんはマフィアに態と囚われたんだった。敦君の懸賞金を懸けた犯人を見つけるために

敦「判ったんですか！？」

太宰「マフィアの通信記録に依ると」

確か………

太宰「出資者は『組合(ギルド)』と呼ばれる北米異能者集団の団長だ」

そうそう。組合

国木田さんは若干疑いをかけているよう

国木田「実在するのか？組合は都市伝説の類いだぞ。構成員は政財界や軍閥の要職を担う一方で、裏では膨大な資金力と異能力で数多の謀を底巧む秘密結社＿＿

まるで三文小説の悪玉だ」

ふぅん、そんな悪い奴らなんだ。どんな組織かと思っていたら………

谷崎「た、大変です！」