トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ15)

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トリップ59日目ページ15

～Aside～

とはいえ恐怖とは一瞬でやって来て一瞬で去るもので、放つのを止めれば恐怖もじわりじわりとなくなっていく

太宰さんに至っては殺気？何それ～とでも言い出しそうな位余裕ぶっこいた表情で中原中也に心配性はハゲると忠告する

″帽子を被っているのはハゲ隠し？″という思考を「まさか」の一言に分かりやすく詰め込んだ太宰さんに苛立ちながら、ハゲではないと帽子を取って証明する中原中也

この人達……呑気すぎない？何なの太宰さん。本格的に置いていって良い感じ？

恐ろしき殺気からの茶番という温度差の激しい空間にいることで異端なこの世界に慣れてしまいそうになる

それは嫌だ。確かに普通って困る。特徴がないって嫌だって思ってたけど、それは良い方に傾きたいだけであって、可笑しくなりたい訳じゃないんだ←

トリップしたらそれはもう異端なのかもしれないけど、人柄はまだ間に合うと思うんだよ！←

勿論中原中也も茶番目当てで地下牢に来たわけではなく、太宰さんへの嫌がらせ目当てで此所へ来たそう

中也「あの頃の手前の『嫌がらせ』は芸術的だった。敵味方問わず、さんざ弄ばれたもンだ。だが＿＿」

芸術的な嫌がらせとは、これまた想像出来ないものをぶちこんでくるこの漫画は、やはり二次元なんだなと実感する。否、こんなところで二次元を実感するべきではないのだろうが

ジリ＿と地面に足を擦らせ勢いをつけ、右足を素早く、そして甲高く振り上げ、太宰さんの腕の鎖を足で蹴り壊した

壁にも勿論ダメージはいくもので、パラパラと壁の欠片が落ちていて、いつ崩れ落ちても可笑しくないほど、壁にはヒビが入っていた

一蹴りでこんなに壁にダメージを与えるなんて、流石バトル漫画だと実感する。先程とは違って、この蹴りでバトル漫画と実感するのは、正しい行為だと思う。うむ。

何だか二次元と三次元の鑑定士のようなアホらしい思考を取り払い、兎に角この状況に付いていこうと思い、私は大量のヒビが入った壁にすがり付く様にし、身を縮込ませていた

これは本編中の2人の会話を邪魔してはいけないが故に私の存在を空気にするための行為である。決して巻き込まれたくないわけではない。そう信じたい

私が頭のなかで持論を繰り広げていると、中原中也が太宰さんに決闘を申し出た

中也「手前の腹の計画ごと叩き潰してやる」

こいや、とでも言うように指先をくいっと自分の方へかける

腹の計画……太宰さんの朝御飯の計画かな？←