検索窓
今日:30 hit、昨日:10 hit、合計:338,321 hit

EPISODE 14 ページ17



…俺はもうレイ達と仲良く脱獄なんてできないんだな。逆に、敵側に回るなんて…

心ではずっとぐるぐる回っているのに、頭はいつでも冷静だった。

「…あなたが俺を出荷しないという証拠は?情報を提供してたのに出荷されるなんて嫌だよ、俺」

「そうねぇ…」

「あ、じゃあもし出荷されるってなったら俺ここの家燃やすから。みんな、燃やす」

これくらい言わないと彼女は納得しないと思った。勿論そんなことをする勇気は持ち合わせていない。イザベラは、困ったように眉をひそめた。

「…いいわ。でも、それに見合うだけの仕事をしてちょうだい」

「…もちろん。そのつもりだよ」

イザベラは、「それじゃあ、もう行くわね」と物音一つ立てずに部屋を出ていった。

時計の針が動く音だけが部屋に響いている。目から1粒涙が零れた。

…なんの為に生まれ変わったのだろう。

3人の為に力を尽くして手助けをしたいと考えていたのに、逆に敵側に回るなんて誰が想像したことだろうか。貴方たちから生きる勇気、喜びを貰ったのに。恩を仇で返すなんて。

俺には何もすることが出来ない…

「ん、出来ない…?」

もし、彼らがこの立場ならどうしているのたろうか。エマなら、脱獄を失敗させようなんて考えないだろう。絶望から何度も立ち上がってきた彼らなら。

「俺は…?」

俺はこのまま諦めてしまうのだろうか。しょうがないなんて言って彼等を見捨てるのか。

その瞬間、ハウスのみんなの笑顔を思い出した。
この世界のことを知らない、無邪気で、可愛らしい笑顔。

「…待ってて。必ず助けに行くから」

俺は目に溜まった涙をゴシゴシこすり、無理矢理口角を上げた。




ーAがこの部屋に来る数日前ー

「Aって凄いよねー!」

遠くを眺めるAを見つめて9歳くらいの少女がいった。その目には憧れの色が映っている。

「だよね、僕達とは頭の出来が違うんだよ」

「…どんな時も冷静で、何事にも全力で取り組む努力の天才のA…」

ソフィの呟きにみんながうんうんと頷いた。

彼は小さい時から、何事も人一倍頑張ってきた。

ずっと、ずっと、ずーっと、独りで。

そのおかげで彼はハウスで断トツの頭脳、運動神経を得ることが出来た。

「ほんと…凄いよ…A…」

ソフィがAをみて呟く。自分の後ろでそんな話をしていたのを、Aは知らない。





EPISODE 15→←EPISODE 13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (253 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
520人がお気に入り
設定タグ:男主 , 転生 , 約束のネバーランド   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Rabbit book(プロフ) - 公務員さん» ありがとうございます!嬉しいです(*´-`*)更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
公務員 - あ、、、、続きが気になって仕方がない、、、、、!更新楽しみにしてます!! (2019年8月8日 12時) (レス) id: 567cb90382 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - 花風雪さん» ソフィは、、、、どうなってしまったのでしょうか……続きをお楽しみにしててください!笑 (2019年6月17日 16時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
花風雪(プロフ) - (´・Д・)ぽかーん、ソフィィィィ! (2019年6月16日 19時) (レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - はるせさん» そうです、やばいんですよ!!(笑)更新頑張っていきますので応援よろしくお願いします! (2019年5月13日 19時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ま る | 作成日時:2019年4月3日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。