EPISODE 11 ページ14
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「昨日」
「え、昨日?」
もっと前だと思ってたらしいレイは、素っ頓狂な声をあげる。
「昨日、隣の第2プラントからここ、第3プラントに逃げてきた」
「昨日ってお前、発信機の場所を知ってたとしても、壊し方とか…」
「え、それは秘密でいいでしょ?あ、もしかして知りたいの〜?」
ちょっと煽ってみた。レイは、そんなんじゃねぇしとキレ気味にそっぽを向いた。発信機を壊す機械を作っている最中の彼はこの情報は必要ないみたいだ。
「あ」
この部屋には時計がないので、どれくらいレイと話しているのかが分からない。もし、その間にママが発信機を確認していたら…考えるだけで背筋がゾクリと冷えた。俺が突然声を出したので、レイの頭にはハテナが浮かんでいる。
「レイ、ずっとここにいるつもり?ママにバレるんだけど」
指摘されたレイは、はっとなり俯く。そこまで頭が回っていなかったという顔だ。
「…俺はまだ、お前のこと信用してねぇからな」
「それは、こっちも同じなんだけど。あ、信用出来ないからってママには言わないでよ」
レイは眉間に皺を寄せて嫌そうにに「分かった」といい、図書室から出ていった。
はぁ、と、ため息をつく。背中から汗が勢いよく噴き出してくるのがわかった。
「あせっ…たぁ…」
今更ながら体がカチコチに固まる。小刻みに震える手をぎゅっと握って、大きくため息をついた。
…よほど緊張してたんだな、俺。
次は失敗しないようにしないと、と心に決める。
漫画と小説を読んでる俺は第3プラントのことを良くも悪くも知りすぎてしまっている。次レイが来るまで、話すことの作戦を練らないといけない。怪しまれないように、あくまでも自然体で、仲間だと寄っていく。
「みんなを守るためだ、だから頑張れよ…俺」
部屋で1人、大きなため息をついた。
…
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Rabbit book(プロフ) - 公務員さん» ありがとうございます!嬉しいです(*´-`*)更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
公務員 - あ、、、、続きが気になって仕方がない、、、、、!更新楽しみにしてます!! (2019年8月8日 12時) (レス) id: 567cb90382 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - 花風雪さん» ソフィは、、、、どうなってしまったのでしょうか……続きをお楽しみにしててください!笑 (2019年6月17日 16時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
花風雪(プロフ) - (´・Д・)ぽかーん、ソフィィィィ! (2019年6月16日 19時) (レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - はるせさん» そうです、やばいんですよ!!(笑)更新頑張っていきますので応援よろしくお願いします! (2019年5月13日 19時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま る | 作成日時:2019年4月3日 14時