国達と神様の御使い１５

６の世界【仲悪くて良かった】 ページ14

天井に張り付いているロシアさん。

内心(恋愛的意味ではなくホラー的意味で)ドキドキしつつ、おいでおいでをしたら、ドッスンと降りて飛び付いてきた。

どう張り付いていたのか気になって天井を見てみると、穴が開いていた。なんという人外的な握力…

流石は白熊の力と思ったけれど、よく考えたら呪われる前からこんな握力してた気がする。正におそろしあ。

一度抱き付くとなかなか離れない事に定評のある寂しがり屋なロシアさんは、私の守護霊の如く背後に張り付いてしまった。

それを見てユーリイさんは苦笑をしつつ、何処か羨ましそうな顔をしている。

と、そうだ！

「ユーリイさん…辛いことを聞くかもしれませんが、ヴィクターについて何か知ってる事を教えてくれませんか？なんでもいいので…」

「ヴィクターについて…」

ユーリイさんの目が赤くなり始めたので抱き締めよう…とする前に、ロシアがニコニコとしながらユーリイさんの頭を撫でた。

「間違ってる事をしてる悪い子には、お仕置きをした方がスッキリすると思うよ！君はいっぱいボコボコにされちゃったんだから、あの悪い子達もボコボコにしなくちゃ！更正させるのはきっと君の役目だよ！」

内容！

てっきりなんか慰めの言葉を掛けると思えば、まさか暴力を推奨してくるとは…

変に気が抜けたらしいユーリイさんは、水色に戻った目をキョトンとさせて、少し笑った。

「そうだね…次に会ったら、顔が二倍になるぐらいビンタしようかな」

「二倍になった顔にサドンデスソースを掛けるとより痛いと思うよ」

失明する危険性のあるソースを顔に掛けろと言うロシアちゃん。まじドＳ。聞いて笑顔で用意するアメリカちゃん。まじ鬼畜眼鏡。

もういいやと思ったけど、情報自体は欲しいので黙っておく。でしゃばっても良いことないって、私知ってるもん。

ユーリイさんは怒ることも馬鹿らしくなってきたのか(多分きっと熊コンビはそれを狙って変な事言った)、少し苦笑してからすんなり教えてくれた。

「オリバーとヴィクターが組むなんてことは、天地がひっくり返ってもないと思うよ。犬猿の仲だし。

後なんとなく解ってると思うけど、アレンとヴィクターは協力関係とは言い切れない感じかな。今のところ目標が同じだからあからさまな邪魔をしないだけで、君と会う事をお互いに良しとしていないみたいだ。何かにつけて足の引っ張りあいをしていたよ」

…敵がコンビネーションずたずたなのは、本当に幸運な事かもしれん。

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