6の世界【躁鬱病の彼】 ページ13
ユーリイさんの魔法陣を消したり、輸血したり、点滴つけたり、身体を綺麗にしたりしてから、漸く人心地ついた。
治療して暫くしてから―――ユーリイさんは青ざめた顔で、ベッドの上から申し訳なさそうに眉を下げて私を見つめてきている。大変な目にあったというのに、本当に優しい人だ。
近寄って掌を握ると、少しだけ擽ったそうな顔をした。
「いまロシアがスープを作ってくれてるけど…食べれますか?」
「うん」
傷の部分を触らないようにして軽く頭を撫でると、ユーリイさんは小さくはにかんでくれた。そうしてるとウクライナ姉さんにそっくり。いや、元になってるんだから当たり前かな?
「ユーリイさんの救出が遅れてごめんね…」
「いや、気にしないで。A達がオリバーやヴィクターに追い掛けられたりしているのは解っているから」
ユーリイさんはそう言いながら水色の目で私を見て微笑む。
「Aが無事である事の方が大事だよ。俺なんかよりね…」
徐々に赤い目になっていくユーリイさん。なんだか放っておくのはやばい気がする。
抱き締められるのって癒し効果あるらしいので、男らしくユーリイさんをぎゅってしておこう。
…思ったよりユーリイさんの胴体が大きくて、しがみついたみたいになってしまった。腕が短いせいじゃないと信じたい。
「A…」
名前を呼ばれたので見てみると、赤い目から赤紫にまで戻っていた。癒し効果は確かにあったのだ!
もじもじとユーリイさんは恥ずかしそうにし、小さく呟いた。
「俺…一応男なんだけど?」
「知ってる」
ええ、知ってますとも。こんなガッチリした体型の女性なんてそうそう居ないし。たまに居るけど。
「なんだよそれぇ…」
とか言いながら、ユーリイさんは顔を隠してしまった。照れ屋さんだったようだ。ちなみに目の色は水色になってました。
恐らく彼は、怒りや苛立ちから目の色が赤く変わるのだろう。珍しい体質ですね。
ヘルズ闇医者曰く、ユーリイさんは躁鬱病だろうとのこと。詳しくは違うっぽいけど、大体はそんな感じらしい。
そうやってほのぼのとしていると、おずおずと様子を窺う気配がした。
どうやら気を利かせて医務室―――ユーリイさんが運ばれた部屋から皆出ていたようだ。
ドアからちらちら見てくるぐらいなら、入ればいいのに。
ちょっと面白くて笑っていると、不意に頭上からコルコル聴こえてきた。
不思議に思い上を見てみると…天井に張り付いていたロシアと目が合った。
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ヴァーニャ(プロフ) - ぴーちゃんさん» コメントありがとうございます!自分の萌えの為にアレもこれもと欲望ごった煮で書き始めた為、アナザーキャラという変態たちを出していいのか不安でしたが、そう言っていただけると安心しましたし嬉しいです!更新は…気長にお待ち下さい(^^ゞ (2019年8月11日 17時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーちゃん - まだ御使いの9までしか読めてないけどこのシリーズ大好きです。何年か前からヘタリアにハマりっぱなしだし、もっとはやくから応援したかったです…。今さらですが応援してます、更新待ってます(((o(*゚▽゚*)o))) (2019年8月9日 13時) (レス) id: 50f98fc46b (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - めめさん» 遅くなりましたが、コメントありがとうございます!忙しいせいで更新が遅くなりすみません… (2019年6月14日 19時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 待ってました〜〜〜〜!!!!!!!! (2019年6月9日 2時) (レス) id: dff1165fa4 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - めめさん» 嬉しいコメントありがとうございます!思っていたより長く続いてますが、これからも宜しくです! (2019年2月23日 18時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2018年11月20日 18時