３の世界【VS這い寄る混沌１】 ページ32
眠くて眠くて仕方ない私を、同じく２徹した筈なのに全然大丈夫そうな日本が、マイホームの和風の屋敷の布団まで抱っこして連れていってくれた。
ロシアとアメリカが面白くさそうな顔でついてくるけど――元はといえばセーシェルの海を堪能してきた二人を心配して起きてたんだよ？連絡すらないし。
「日本もしんどいだろうにありがとうね」
「いえ…修羅場になると２、３徹が当たり前、酷ければ５徹でしたし、徹夜には慣れてます」
一体何で徹夜してるんだろうか…？
日本はぶつぶつと「かなり早期の方が印刷料安くなるのです」とか「売り子を募るのも大事なのです」とか「物販は誰が何処に出してるかチェックせねばなりません。けど知り合いで尚且販売側である場合は後で交換したりもしますね」なんて呟いている。…なんか察した。
日本のそこはかとない深い闇を感じつつ、敷き布団にダイブ！
三人もいそいそと布団を用意してくっついてくる。…皆も私と寝る気のようだ。
うわ、日本とアメリカの体温高い。ロシア無理やり捩じ込んで来ないでよ。
暫くすると、暑すぎてなのかひんやりした体温のロシアに皆が集った。もちもちでひんやりで気持ちいい。
「くすぐったいよ〜。アメリカくんお腹に手を置かないでよ〜」
「ロシアのお腹ぷにってしてるんだぞ！ぷにって！」
「どれどれ…あ。アメリカさんの言うとおりぷにってしてますね。…微かにですが」
「アメリカくんには負けちゃうよ」
「うわ！触らないでくれよ！」
「触っちゃうよ触っちゃうよ〜」
「アメリカさんのお腹柔らかいです！！」
「日本とロシアのえっちー！！」
ぎゃあぎゃあ喧しくて寝れないんだけど！
それにどさくさに紛れて私の胸とかおしり触ったの誰！？
更には美容に悪いからとしっかり睡眠取ってたフランスとスペインとハンガリーもやって来る。
ちなみに気付くと天井にベラルーシが張り付いてて、目が合った時かなり怖かった。降りてきて下さいマジで。
アーサーはどこだろうと思ってると、私の足に猫姿でしがみついていた。可愛いけどせくはらされた気分だ。
皆で雑魚寝して幸せな気分になっていると、何かが侵入を試みては弾かれる感覚がした。
初めての感覚だけど…何となく解る。
慌てて向こう側に繋がる扉を少し離れた壁に出現させると、皆もなんだなんだと扉を見て騒ぎ始めた。
扉は既に開いていて…向こう側からギョロギョロとした目が此方を見ていた。
あ、去った筈のニャルラトホテプだ。
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作者名：ヴァーニャ | 作成日時：2017年3月10日 0時
