国達と神様の御使い

なんだか緩い女神様 ページ12

イヴァンに頼み、アポピスに居る他の皆に説明させて貰った。

皆しきりに私の首の虫刺されを気にするけど、そんなに気にしないでほしい。

「イヴァンくんの野郎…交換条件なんかつけやがって…吸血しやがって…」

「ちょっとロシアちゃん、キャラが変わってますよ」

「むー」

熊耳をぱたぱたさせながらなついてくるロシアを宥めながら、皆がやる気に満ちているのを見つめた。

「で、皆さんやる気になったのは良いけど…ギルベルト、神様とどう連絡取るの？」

「電話番号控えてるから教えるぜ」

「電話！？神様への連絡がそんな手軽でいいの！？」

「天界も現代化してるんだろ」

スマホで早速番号を打ち、掛ける。直ぐに相手が出た。

「あ、もしもし、Aですけど…」

《もっしー♪Aちゃんね？私、貴女の前世の記憶の受け継ぎは無理だったけど技能は受け継げさせたから戸惑ったでしょ？本当は此方から連絡したいけど――ごめんって、神様らしくしますって！》

緩い。

なんだこの緩さ。

女性特有のきゃぴきゃぴした感じに戸惑っていると、女神様は誰かに怒られたらしくシュンとした。

《…話は天から覗き見…いえ、聴いてましたよA。伝え忘れていましたが、チートはそれぞれ３つ授けます。そしてAを含めて５人まで一つの世界に連れていけます。そして…これを渡しておきましょう》

神様がそう言った直後、スタンプラリー的な紙が全員分出現した。

それにはひとつだけ商品が書かれているようだ。

「…たわし？」

《参加賞です》

「参加賞」

《クリアすればするほどスタンプがたまり、商品が増えて豪華になっていきます》

「商品」

《貴女に選ばれた方にもスタンプがたまります》

「成る程」

《難易度でスタンプの量が決まります》

「難易度？」

《貴女が選べるのは二人まで。後の二人は面白…此方で選びます。ミッション説明はその世界に跳んでからされますが、選ぶのは毎回跳ぶ前です》

「つまり…？」

《料理メインの世界に、味覚音痴組のみになる可能性も有ります》

「うわぁ」

絶対に面白がってる声音で頑張って下さいと言われた。まじ対応が緩いです女神様…

とりあえずロシアは連れていくとして、もち達はどうなんだろう？

「ロシアもちは持ち物に含まれますか？」

《含まれます。自由に持ち運んでね。餅だけに》

よっし！後は一人選ぶだけだね！誰にしよう？

…わくわくして待っても突っ込まないからね女神様？

《餅だけに》

しつこい！

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