便利屋は使ってなんぼかなって思うワケ ページ8
「っう……うぅ……」
「Aさん……少し休憩しましょう」
「でも……」
会場から離れ、歩いて数分あたりの地点。
アドレナリンが出ていた時には気付かなかったのだが、履きなれない下駄で鼻緒擦れを起こしていたようだ。
「ちょっと待ってください」
そう言って彼は巾着の中から何かを差し出してきた。
「わ……絆創膏？用意がいいね」
「どこかで休まないと悪化します。自転車は諦めて、迎えに来てもらった方がいいかもしれません」
下駄は脱げばバス停か自宅かのどちらかへは歩けそうだが、替えの靴なんて持ってきていないし、鼻緒が擦れたせいで皮膚が剥けてしまったのか、じくじくとした痛みが強くなってきた。
早く自転車を受け取って帰りたいのに……今はそんな事を言っていられない状況だ。
道の端に寄り、木にもたれ掛かるようにしてしゃがみ込む。
巾着から花京院の心配そうな視線を感じつつ、傷口に絆創膏を貼り、ふうと息をついた。
「歩けそう……ではないですね」
「うん……」
下駄を履き直すも足はズキズキと痛むし、少し休憩したら痛みも引くだろうから……と思ってその場に座り続けることにしたのだけど、なかなか痛みが引かない上に、どんどん炎症が拡がっているような気がする。
これはまずいかな？と思ったところで携帯が鳴った。
「非通知だ」
いつもなら非通知の電話には出ないが、なんとなく誰からなのか察しがつき、迷わず通話開始ボタンを押した。
「もしもし……」
『どうもぉ〜……こちら、混沌デリバリーサービスですぅ。自転車の受け取りは出来そうですかぁ？』
電話越しでもわかる。いつもの店員だ。
見なくてもわかる、絶対にやにやしてる。
軽くイラッとしつつ、私は口を開いた。
「ちょっとケガしてるので……明日にしてもいいですか？」
『えぇ〜……それ、困りますねぇ』
「だって、下駄擦れして歩けないし……」
『せっかくここまで持ってきたんですけどぉ……あ、痛みを和らげるとかしたらどうです？まだ波紋使えますよねぇ？』
「えっ！？ちょっ……」
ブツリと電話が切れて、少し呆然としていると、ヘッドライトでしっかり安全確保をしながら店員が私の自転車に乗ってきた。
それもやたら疲労困憊した様子で。
絶対にツッコまないという強い意志でキュッと口を噤むと、花京院もそれに倣って口を引き結んだ。
「集荷に、参りましたぁ……」
家まで送ってくれるという意図は伝わったが、言葉を選べと私は噴き出した。
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アーディ(プロフ) - 圧倒的睡眠不足さん» ふふ、秘匿したかいがありました……登場予定はなかったんですけどせっかくなので一瞬こんにちはしてもらいましたよ。コメントありがとうございます。 (11月12日 14時) (
レス) id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 少年…う そ だ ろ ってなりました、この時間軸幼ディオもいるのか…？！妄想がはかどる！！めっちゃびっくりしました！ (11月12日 9時) (レス) @page36 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
アーディ(プロフ) - くろねこ1227さん» びっくりしていただけて何よりです。(この後どうするか特に考えてなかったので出番はもうないかもですけどね(￣▽￣;)) (11月12日 4時) (レス) id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ1227(プロフ) - ジョナサンだったんだ！びっくりー！ (11月11日 22時) (レス) @page36 id: 6ada67d0b8 (このIDを非表示/違反報告)
アーディ(プロフ) - 圧倒的睡眠不足さん» 次のお話で明らかにする予定です〜！お楽しみに！！ (11月10日 18時) (レス) @page35 id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奇妙な前髪 | 作成日時：2023年1月18日 2時
