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差し入れにしては度が過ぎる。 ページ6

好感触、とはいえ毎回プレゼントを持って行っては特別感も薄れてしまうかもしれない。

いつもより大きな感謝の言葉を背にレジを後にする。

正直スキップでもして帰りたい気分だったが、爪が伸びているのを見て我に返った。

(浮かれ過ぎは良くない……冷静にならなくては)

表面上はなんともないように振る舞いつつも、彼女がわたしへの好意を加速させた確信を持って家路を辿る。

その途中、同僚に見つかって声をかけられた。

「やあ、吉良」

「あぁ……今帰りかい?」

「ああ。今日はちょっと残業だった」

「それはお疲れ様」

「おう。じゃあな」

軽く会釈してすれ違うと、同僚は振り返って「ところで……」と続けた。

「お前最近すごく機嫌がいいな。なにかいいことでもあったのか?」

「……何も無いさ。ただ、仕事が上手くいくようになれば、わたしだって多少は気が軽くもなる」

「……ふーん……あのバイトの子の事かと思ってたが」

「……ッ!何か……妙な噂でも、立っているのか?」

思わず顔が強張る。

「ちょっと小耳に挟んだんだぐらいだぜ?お前があの子のことやたらと気にかけてるってな。あの子可愛いし、狙ってるやつは結構いると思うぜ」

「……そうか。わたしは失礼するよ」

「あ、おい吉良!結局どうなんだ?あの子の事気になってんのかー!?」

ニヤニヤと笑って肘で小突いてくる同僚を振り切って家路を辿る。

(……目立ちたくは無い……が、彼女を避けるのも……どうしたものか)

通り道にある店のショーウィンドウに目をやる。

ガラスの向こうに並ぶマネキンに目が釘付けになった。

可愛らしい色合いのもこもこしたルームウェアは、どれも彼女に似合うだろう。

(もしAさんとこういう部屋着でくつろいだり、一緒にお風呂に入ったり出来れば……いや、あくまで健全な範囲でだがね……)

不埒な妄想が一瞬頭を過ぎったが、首を振って邪念を払う。

少し店内を覗き見てみれば、幸運なことに客はわたしだけだった。

(まだ付き合ってもいない女にプレゼントを買うなんて変かもしれないが……Aさん……彼女は特別だ)

店内を物色し、店内に陳列された物からなるべく彼女が好みそうなデザインのものを選んで手に取る。

猫が好きらしい事は先日の尾行で把握していたので、そういったモチーフのものを選べば間違いは無いだろう。

レジで店員にプレゼント用の包装を頼むと、店員はにっこりと笑って快く引き受けてくれた。

焦燥→←発散



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アーディ(プロフ) - 餡さん» コメントありがとうございます!本当はもっと短く纏めるつもりだったので、間に合うか間に合わないかの瀬戸際でヒヤヒヤしながら書いておりました。吉良さんの魅力が伝わっているなら何よりです。最高の褒め言葉ありがとうございます!読破お疲れ様でした! (1月31日 13時) (レス) @page42 id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結おめでとうございます。まさか吉良さんの誕生日に合わせて執筆されていただなんて…!細密な描写が色んな視点で描かれていて、とても面白かったです。本当に吉良吉影という人物の魅力がたくさん詰まった作品だと思います。素敵な物語をありがとうございました…! (1月31日 8時) (レス) @page42 id: 493b9f8f47 (このIDを非表示/違反報告)
アーディ(プロフ) - ゆーりさん» くそっ……じれってーな。俺ちょっと2人を進展させてきます……!(コメントありがとうございます!作者的にももどかしいです!!!) (1月26日 22時) (レス) id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - あー!!!もどかしい!ドキドキしますね…!!! (1月26日 16時) (レス) @page32 id: bb43593a3a (このIDを非表示/違反報告)
アーディ(プロフ) - のんさん» ありがとうございます、先はまだちょっと悩んでますが、更新頑張りますね! (1月11日 21時) (レス) @page9 id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奇妙な前髪 | 作成日時:2024年1月8日 23時

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