笑顔の代償 ページ9
おぼつかない足取りで廊下を歩き、保健室へ入る。
そこには養護教諭の神瓶先生がいた。
先生は顔色の良くない私を見て何かを察したようで、入口に鍵をかけてくれた。
「どうしたの？すごく辛そうだけど。」
先生の優しい声に、笑顔で包み隠していたはずの涙が思わず溢れる。
先生を困らせてしまっているのに涙が止まらない。
『せん、せ、あの、教室で、こね、しまくんがっ』
嗚咽混じりにでも話そうとするが、泣いてしまっていて上手く伝えられない。
「無理に話さなくていいよ。落ち着くまで座ってよっか。」
先生は私に気を使ってお茶を出してくれた。
しばらくすればだいぶ落ち着いたようで、呼吸も安定した。
『しんぺい先生、今日私ね、朝、魔物たおしてきたの』
先生は何も言わずただゆっくりと頷いて話を聞いてくれる。
『それで、学校に来て、友達と話してたんです。』
『そしたら、捏島くんがっ、』
ここからという所でまた涙が溢れてきてしまった。
『魔法少女なんて、たいしたこと、ないって』
『わたし、がんばってるのに』
『視聴者の期待に答えられてないのは、分かってるけど、』
『でも、やっぱ、り、つらかったの』
たどたどしく、文にもなっていない私の言葉を先生はただ優しく、私を見つめて聞いてくれた。
「そっか。でもそこで怒らなかったのはA、偉いぞ。」
「先生はちゃんとAの魔法少女の活動のことすごいと思ってるし。Twitterのアンチなんてちょっとのことだよ。」
「それに、そのツイートだっておんなじ人が別垢で呟いてるかもじゃん。F5で連続投稿してるかもだし。」
ニコニコ世代の先生らしい、すこし古い時代のネット文化を話す。
ただひたすらに優しく肯定してくれる先生のおかげで私の心の傷も少しずつ癒えて、涙も落ち着いた。
『…ありがとう先生。なんかスッキリした。』
「いえいえ、先生ですから。じゃあまた来週も魔法少女頑張って！」
一礼し保健室を出ていく。
先生とのお話の心地良さがたまらなくて、私はまた、保健室に入り浸る。
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なんかちゃうなってなったんで1部作り替えました。
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何をするにも「ら」を言ってしまう人です - スランプですか……でも、聖さんの小説すっごく面白くて好きです!!ゆっくりでもいいので頑張ってください! (5月5日 7時) (
レス) @page19 id: 3e8fde3e6c (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - 雪兎さん» めっちゃ好きのお言葉ありがとうございます〜！励めになります！だるだるゆるゆる更新ですがどうか末永くチョコレートを食べながらよろしくお願いします… (2023年1月30日 1時) (レス) id: 2e2d2a438d (このIDを非表示/違反報告)
雪兎 - ずっと頭の中で元ネタであろう曲が流れてて、歌いそうになるしチョコ食べたくなるし…めっちゃ好きっすありがとうございます。(何が言いたいのかはっきりせぇ) (2023年1月29日 12時) (レス) @page18 id: d89776f955 (このIDを非表示/違反報告)
Masatoサブ＠3(プロフ) - 聖さん» そうなんですね、それはよかった……！もし私の一言でこの小説が閉じられてしまったら申し訳ないな、と思っていたので。丁寧に教えてくださってありがとうございます！ (2023年1月26日 1時) (レス) id: 8b51d1c001 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - Masatoサブ＠3さん» ですので、こちらの作品は主観での判断ですが、恐らく大丈夫だと思います！勇気をだしてわざわざお伝え下さりありがとうございます！歌詞等引用して侵害に当たらないよう、務めてまいりますので、これからもよろしくお願いします！ (2023年1月26日 0時) (レス) id: 2e2d2a438d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖 | 作成日時：2022年4月9日 2時
