▽ 43.弱味? ページ3
「では、もうひとつ」
指を一本立てて、質問をさらに投げかける。
「なぜ私どものギルドにこだわるのでしょうか」
一番気になっていたことだ。あたしたちの他に腕のきく戦闘ギルドなどどこにでもいる。
アキバでもトップクラスの<D.D.D.>、<ホネスティ>あたりなら承諾してくれそうなのに、そこまでしてあたしたちにこだわるのは、なぜか。
「……えっと」
「アンタ達、食料はどうしてるんだい?」
彼を遮った神祇官が、のんびりとした声で尋ねた。
……痛いところをつかれた、のか?
よく分からないまま「何が仰りたいのでしょうか」と思ったことをそのまま口にする。
……隣の藤間さんがひたすらあたしの足を踏みながら睨んでくる。あ、あたし、墓穴でも掘った?
その動揺は、向こうも同じようだ。
「ちょ、ナズナ!?聞いてませんよ、そんなこと言うなんて!」
「あー、ごちゃごちゃうっさい!今はアタシに任せてちょっと黙ってな!」
「ええー」
見た目そのままに、しっかりもののお姉さんと天然記念物的ホイホイというそこそこな凸凹コンビらしい。
やっと論議が収まったところで、神祇官が続きを言う。
「アタシが聞きたいのは、調理について、だよ」
ここでやっと理解した。
……え、いやこの人何で知ってるの!?
というか、そもそも他のところでは未だ開発されていないのか……?
だとすれば、あたしたちって世間一般(?)から見ると『調理の方法を独占している』ということになる。
……めっちゃ印象悪いじゃん!?
「こないだお礼に頂いたフルーツ。あれさ、綺麗に切ってあったよねえ」
「ええ」
事の重大さが少し分かってきた。
これが、相手の最大の切り札だったのだ。
そして親睦を深めるか脅すかして、調理法を聞き出す寸法なのだろう。
ホイホイの性格からすると前者の確率が高いが、今こうして『私達はあなた方の弱味を握ってますよ』アピールをしたことで、多少の警戒心を抱かせたところからは後者も考えられる。
「別にアタシらは、恐喝してまで聞き出そうとは思ってないけどさ。美味しいメシは食べたいし」
……そうか。
藤間さんを見ると、好きにしろとでも言いたげな目をしている。
じゃあ、独断で『好きにさせて』いただこう。
「調理法に関しては、後日お話させていただきますが……その、PK退治はお断りし」
「どうしてですか!?」
身を乗り出して遮ってきたのは……ホイホイ、だった。
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天ノ弱な月猫(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年6月21日 14時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)
樹(プロフ) - 続きが楽しみです! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 0cd4f5c3ec (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 更新再開待ってます (2017年9月30日 1時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - 僕も二人大好き何ですよ!いやはや・・・実は僕も夢大好きで!もう色々ヤバいです!黒髪美女・・・中2患者としてはたまりませんね!・・・っと、長文失礼しました。更新を楽しみにしていますね。 (2016年5月23日 2時) (レス) id: f81975a2a2 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎暁月 - よっしゃ仲間がいた(ガッツポーズ) 周り剣聖推しやらおぱんつ推しやらばっかなので嬉しいです〜!!ありがとうございます!更新遅くてすみません>< (2016年4月30日 7時) (レス) id: fd640bf3ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒崎暁月 | 作成日時:2015年1月19日 21時