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俺が守る ページ19

何度も繰り返し練習した言葉を、私の口はすんなりと紡いだ。









一息に言い切ると、私はまた咳き込んだ。
白い布団に飛び散る血飛沫。









ああ、この布団、もしかして白地に赤い水玉模様の布団だったのかな。









そう冗談を口にしようかと思ったが、猗窩座様の顔を見ると口は閉じるしかなかった。









そんな顔をしないで。









私が死んでしまうことは気にしないで欲しい。
それで、あわよくば貴方に食べてもらえれば本望だ。
女は食べないと言っていたから律儀に埋めてくれるかもしれない。









私の死を悼んでくれるなら、私は自分の体がどうなろうと後悔はない。









元々一人で死ぬはずだった。
猗窩座様に出会わずとも私はあの町を出ていたし、私は病に倒れていただろう。









もしかすると、彼に出会わなければ既に死んでしまっていたかも。









「……A」









『はい………?』









「A」









『……? は、ぃ…猗窩座さま……?』









彼は何度も私の名前を呼ぶ。
私は何度も彼に返事をする。









彼はふと布団の傍らに手をついて身を乗り出した。
唇に触れる、柔らかい感覚。









思考が停止する。
反応も出来ず、恥じらうことも拒絶することも出来ないでいると、彼の指が私の後頭部を包むように抱き、ぐっと引き寄せた。









『ぁ………』









鉄臭い味が喉を落ちていくのがわかった。









『ぁ…………ッが………!?』









体が跳ね上がり、首を掴まれる感覚を得る。
体が言うことを聞かない。視界がぐるぐると回っている。
脊椎を伝って脳へ上がってくるこの熱はなんだ。









『ぁっ、……ぐ、ぁぁぁッ、』









首をおさえて咳き込む。
なにかが身体の中で蠢いている。
それはまるで宿主を見つけた寄生虫のようだった。









私はその違和感を排斥しようと、のたうち回る。









『ぅ………ぐ………ぁ………』









必死に暴れ回ろうとする四肢を押さえつける。
大丈夫、死なない。
人間として(、、、、、)死ぬだけだ。
受け入れろ。









最後に感じたのは、猗窩座様の悲痛そうな顔と言い聞かせるような言葉だった。









「……眠れ。心配するな。俺が守る。」









────私は堕ちた。

陽光→←猗窩座は言う



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#鬼の味方 - この小説凄くはまりました! 続きがみたいです! 猗窩座カッコ良すぎてやばいです! あと、無惨様は敬語使わないですよ! 「○○しなさい」じゃなくて「○○しろ」の方が良く言ってます! 応援してます!!! (2020年12月30日 5時) (レス) id: 26ef1f84d5 (このIDを非表示/違反報告)
柊 飛々(プロフ) - rioさん» 光栄です。これからもよろしくお願いします。 (2020年11月5日 6時) (レス) id: 04e9c86118 (このIDを非表示/違反報告)
rio - 更新楽しみに待機させていただきます! (2020年11月4日 23時) (レス) id: 0ce86c1008 (このIDを非表示/違反報告)
柊 飛々(プロフ) - マリイさん» あ、奇遇ですね。私も猗窩座様と魘夢ちゃんは推しです。ご拝読賜り光栄です。これからもよろしくお願いします。 (2020年11月1日 21時) (レス) id: 04e9c86118 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 猗窩座大好きです鬼滅の鬼は皆好きだけど1番好きな鬼は猗窩座 魘夢 無惨様の3人 (2020年11月1日 21時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊 飛々 | 作成日時:2020年8月13日 0時

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