ほくとくらぶ。 (ページ27)

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にじゅうろくページ27

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京本サイド

樹「あーあ。きょもふられた。」

京本「うっせ。」

北斗と彼女が出て言った後、ガランとしている入り口に立ち尽くして居た俺。

そんな俺に樹がからかうように笑いかけた。

高地「ほら。迷惑かけんなって言ったじゃん。」

高地も後押しするように言う。

やっぱりなあ。

振られたわけでは、ない。と言い聞かせたいんだけど、無理やりすぎるかな。

樹「ま、お前は北斗に負けたってことだな。ドンマイ。」

高地「店のトップももう潮時？」

京本「…」

肩をぽん、と叩いてどこかにいく樹。

高地の意味深な一言に、俺は高地を睨む。

高地「…トップで、いつまでも居られるなんて思ってないよな？」

久しぶりの高地の厳しい瞳に、俺の瞳が揺れた。

まあ、そりゃそうだと思うけど。

このクラブの人気ホストランキングは、月によって更新される。

今月も、先月も、先々月も。

一年くらい、ここずーっと俺がトップを貼り続けて居た。

まあ、そんな位置取られたら悔しい。

今月のランキングは

一位俺

二位北斗

三位樹

その他はランキングに表示されない。

まあ、高地と慎太郎とジェスは奥手すぎるのもあるんだけどね。

高地はバーテンダーとかと兼用でやってるから少ないのもわかる。

六位から下は、最近手伝いに来てくれているトラビス、という潰れかけのクラブのホスト。

ま、まだまだだな。って感じ。

かわいくて、慌ただしいまだ若い奴らだ。

まあこんな上からでものを言えるのも、今月で最後だと思うんだけどね。

高地「ま、どんな手を使ってでもあの子を手に入れたいんなら、北斗から取ればいい話。」

京本「そんなうまい話ないだろ。」

淡々と話す高地に言い返す。

そんなにうまくいくはずもない。

しかも、なんで高地は俺があの子を気にしていると分かっているんだ？

高地「どうせ、北斗を傷つけるのが怖いだけだろ？」

高地が嘲笑うようにそう言って、レジに向かった。

…その通りだと思った。

これ以上不仲になんてなりたくない、という矛盾した思い。

高地「そんな優しいお前が、俺は別に嫌いじゃないけどね。」

別にすかれても嬉しくないんだけど。

そのことばはのみこんで、俺は控え室に急いだ。

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