本棚 ページ2
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ふと腕が緩んで、2人の間に空間ができる。
ひとつ、ぱちりとまばたきをした北斗くんが
両手をわたしの肩に置いて、
左手は肩から背中をすーっと降りて腰に。
それだけで身体中がドキドキして
キュンキュンで胸が疼いて
右手は頭に、と思ったらするっと撫でるように頬に。
北斗くんとのキスは初めてじゃないのに
今までとはわけが違う。
これから起こることが予想できなくて
ドキドキと混乱で身動きが取れないまま、
ただパニックで、北斗くんの目を見つめていたら
「一回落ち着こ、」と力が抜けたように笑われた。
「えっ…」
「また後で、ちゃんとしてあげるから」
触れられていた場所から
北斗くんの体温は消えて
また、置いてけぼりだ。
こんなところまで。
歳の差、経験の差を思い知らされるなんて聞いてない。
あたりを見渡して、北斗くんの本棚を見つけた。
国語教師らしく、というか純粋に本が好きなのだろうな、というような本棚で、少し気分がまた持ち上がった。
「本棚、見ていいですか」
「ん?ああ、いいよ」
本棚の真正面に立つと、
本のタイトルひとつひとつが北斗くんの中身みたいで
ゾクゾクした。
ゲーム機を片付けた北斗くんがわたしの横に並ぶ。
「なんか…照れる」
「ふっ、北斗くんの中身覗いてるみたいです」
「あんま見ないでよ?」
照れた顔で、くしゃ、と笑ってくれる北斗くんが隣にいるから、安心してわたしも立っていられる。
心なしか、
窓から入ってくる風も、心地よくていい匂いのように感じてしまう。
高校生のときから、松村先生が生活の軸だった。
先生がいなかったら。なんてそんな恐ろしい想像したくもなくて、脳内から急いで打ち消した。
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リカ(プロフ) - 更新楽しみにしています (5月18日 0時) (レス) id: 88810842d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新待っています。 (2022年5月14日 4時) (レス) @page7 id: aef5fa864f (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 最高です!!! (2022年5月1日 21時) (レス) @page7 id: 34004b60ef (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます!よろしければまたお付き合いおねがいします。 (2022年4月26日 18時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - aaさん» 素敵なお言葉ありがとうございます!また楽しんでいただけたら嬉しいです (2022年4月26日 18時) (レス) @page7 id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つき | 作成日時:2022年4月18日 3時