知らない ページ3
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本棚をじーっと見つめていると、
明らかに系統の違う小説家さんの本を3、4冊見つけた。
「…北斗くん、この小説家さんも好きなんですか？」
「あー、うん、普段あまり読まないんだけど、大学時代に友達から薦められて」
「私も、この人の小説読みますよ、入りはあんまり引っかからないんですけど、だんだん読んでくうちにハマってる自分がいて」
「お！そう？それね、薦めてくれた子も言ってた」
“やっぱみんなそうなんだなー、俺もそうだったもん” と楽しそうに目を細めて、話してくれるけれど
薦めてくれた “子” って
たぶん、女の子、だよね？
1冊ならまだしも
3、4冊なんて。
…彼女、なのかな。
頑張って、北斗くんに返事したり
話を続けたりするけれど
大好きな北斗くんといるのに
無理して頑張ってる自分が嫌で
いちいち嫉妬して
凹んでる自分も嫌で。
何度も、
涙が浮き上がってくるのを堪えて。
5回目の涙を抑えて落ち着いた頃、
「わ、いつの間にか6時だね」と先生が言った頃
「帰ります」と一言だけ。
随分と淡白でそっけないと自分でも思った。
でも、何か発したら溢れてしまいそうで。
もう嫉妬だか悲しさだかわからず
ただただ涙が出そうになるから今すぐ逃げたかった。
「えっ……あ、そうだよね？ごめんね、こんな時間まで付き合わせて」
最悪だ。
何も悪いことしてない先生にも謝らせた。
「あっ、ひとりで帰れるので大丈夫です」
そう言っているのに、
「いやダメでしょ、彼女送ってくの普通だから」ってわたしの制止も構わずに準備をする。
そうだよね、北斗くんに彼女いなかったわけないもん。
なんなら、そこらへんのイケメンよりも多いに決まってるもん。
元カノ達もみんな、数多くの中の1人なんだって
思って楽になれればいいものの、
北斗くんは沢山の経験をしているはずで
わたしは北斗くんだけ。
…北斗くんと、キス以上があるのかは、まだ不明。
どう頑張ったって今のわたしの脳内ではマイナス思考しか働かなくて、使い物にならない。
いつもの『北斗くん大好き取り戻せ青春』マインド戻ってきて欲しいのに、どっかに行ってしまった。
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リカ(プロフ) - 更新楽しみにしています (5月18日 0時) (
レス) id: 88810842d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 続きが気になります！更新待っています。 (2022年5月14日 4時) (レス) @page7 id: aef5fa864f (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 最高です！！！ (2022年5月1日 21時) (レス) @page7 id: 34004b60ef (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます！よろしければまたお付き合いおねがいします。 (2022年4月26日 18時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - aaさん» 素敵なお言葉ありがとうございます！また楽しんでいただけたら嬉しいです (2022年4月26日 18時) (レス) @page7 id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき
| 作成日時：2022年4月18日 3時
