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モスグリーンの制服を着た集団が、商店街を風を切って歩く。先頭を歩く柳とAは、もうこの町にも、開久での生活にも慣れていた。
下っぱが柳に問いかける。



「そういや、平気なんすか柳さん。こんなところにうろついてて」

「いやいや、あれはもう悟くんが刺したことになっちゃってるから」

柳の言葉に、Aも思い出したように言う。

「今頃、警察に行って必死にお喋りしてくれてるだろうね」


「もうあいつ使っちゃったんすか?」

下っぱがニタニタと柳とAを見る。
柳はよくぞ聞いてくれた、というように下っぱを指差した。


「あいつはうまくやるよ。俺は目を見りゃわかんだよ。どれくらい忠実な犬になれるか」

熱く語る柳に、Aはまた言ってるよ、とため息をつく。

狭い路地に入った所で、後ろから威勢の良い声に呼び止められた。

「おいっ!」


柳達は足を止めて振り返る。
振り返った先にいたのは、鬼のような形相で仁王立ちをする涼子だった。

「あぁ、これはこれは、いつかの綺麗ないとこさん」

落ち着いた様子で言う柳に、
Aも表情一つ変えずに問いかける。

「どうしたの?こんなところで」

「悟を…はめたんですか…」


涼子はやっとのことでその一言だけ絞り出した。
察するに、先程の会話を全て聞いていたのだろう。

しかし、柳もAも全くもって気にしなかった。
怒りで震える涼子に、Aはいたって冷静に答える。

「はめたって…人聞きの悪い事言わないでよ…ねえ?」

Aが周りに聞こえるような声で問う。
柳をはじめ、北根壊の下っぱ生徒も静かに笑った。

それがA達の答えだと理解した涼子は手元の竹刀を握り直す。


「てめえら、許さねえぞコラーッ!」

涼子は勇敢にも一人で斬りかかったが、
勿論柳の相手にはならなかった。

あっという間に竹刀を折られ、ぶっ飛ばされる。


何て馬鹿な子だろう、とAは思った。
その場の高ぶる気持ちだけでどうにかなるほど、喧嘩は簡単ではない。
本当に復讐をしたいのならば、仲間や武器を集めて、日を改めるべきである。



その時、誰かの声がした。



「コラーッ!女ーっ!」

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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