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悟が自信たっぷりに提案した。
柳とAは困惑した表情で彼を見る。


「悟おまえ、何言ってんだよ」
「そうだよ!」
「ずっと僕が助けてもらってるんです。今度は僕が助ける番です!」

悟のその言葉に嘘は無かった。
出来ることなら何でもしたかった。


「何を馬鹿なことを…」

Aが唖然とした表情で何も言えずにいると、悟は高らかに言い放った。

「僕は本気です!柳さん達に何かあったら、絶対役に立ちたいって思ってたんです」

「あのな、そんな簡単な問題じゃねえんだ」

それでも渋る柳に、今度は大嶽がかぶせる。

「悟は本気だぜ。いいアイデアじゃねえか。その間に俺達が真犯人を探し出せばいいんだよ」

その一言で、悟は飛び跳ねるように席を立った。

「僕、警察行ってきます」
「ちょっと悟君…」

Aの言葉に耳もかさず、悟は走って外へ出て行った。









柳とAは、コップを口元によせる。
全ての芝居に区切りをつけた。



「今回の犬、うまくやっかなぁ?」

柳の言葉に、Aが笑った。

「いや、やるでしょ。あれだけ真剣だったし」

「俺は少し早すぎたと思うがな」

大嶽は少し心配そうだった。
しかし、柳がそんな心配をふき飛ばす。

「いや、うまくいくよ。犬は3日飼ってもらったら、恩を忘れねえんだぜ」



Aは隣で不適に笑う彼を見て驚いた。


久々に見る表情だった。

柳はたまに、Aも驚くほど悪い顔をする。
それは決まって、自分に都合のいい未来が待っていると確信した時がほとんどだ。

ちなみに柳の言う犬というのは、
北根壊の間でのみ通用する言葉で、
濡れ衣を着せるための盾のことである。

少しの間かばってやるだけでも、喧嘩の出来ないひ弱な生徒は気持ちいいほど従ってくれるのだ。

今まで、警察や教師などの邪魔が入るたびに
沢山の犬を犠牲にしてきたこともあり、
別に今更良心が痛む事もなかった。
今はただ、自分達が自由に動くために必要な事だと三人とも割り切っている。

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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