ジョングク栽培キット【JK】

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就職どうしよう？
↓
就活なんぞせんと、うちで働けばいいさ！と父
↓
オッパに監視されながらの生活とか無理！と私
↓
今から花嫁修業に力を入れて、片手間で社会勉強をすればいいんだわ！と母
↓
どこぞの馬の骨かも分からんヤツに妹は任せられん、僕の友人の店に任せよう！と兄





といった具合で、同級生のみんなが死に物狂いで就活するのを見守り大学を卒業、そのまま数年の時が経ったのです。

“甘ったれんな世間知らずの小娘が！”といつか罵られるかもしれないが構わないさ。

だってオッパが自分の命に変えてでも守ってくれるって言ってたもーん。















「これ、新発売のピクチンキットとフードたち。それぞれポップ作って売り場に並べてくれる？」

「随分たくさん種類ありますね。選びたい放題じゃないですか」

「最近は改良が進んで更に進化してるらしいよ。特にアイドルコラボが熱いね〜」





複数のダンボールにぎっしり詰まった商品たちの中から1つのキットを手に取る。

今をときめくアイドルグループがパッケージになっており、裏返せばキラキラ輝やかしいイケメンに微笑みかけられた。





「いやぁ改めて考えても凄いですよね。大好きな推しと生活できるなんて、昔の人が知ったらびっくりしますよ。考えた人マジ天才」

「天才、まあ確かに。自分でもよく言ってるしな……」

「よく言ってる？？」

「あーいやいや。Aちゃん、前はあんまり興味ないって言ってたけど、これからも飼う気なはいの？せっかく花屋で働いてるんだしさ、」

「ああぁぁぁそうそう！今日ホソクさんに相談しようと思ってたんですよ！そ、れ、をッ！！」





事の経緯を話すと、“僕もジミニみたいなのはパスかな”と苦い顔をして口元でバツ印を作る。

海のように広大な心を持つホソクさんに拒否られるとかさすがは問題児、日頃から損を積みまくってるんだな。





「とにかく人懐っこくて愛嬌たっぷりな子だと嬉しいんですけど、どれがいいと思います？」

「うぅーん」





理想を語る私の声に相槌を打ちながら書き物をしていた彼は手を止め、顎の下にペンをあてがって暫し考える。

私を見て緩やかに顔を傾けると、





「それって、リアルな男じゃダメなの？」





って、予想していなかった回答。


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