【オリジナル】楽園への到達法〔傲慢編〕 (ページ5)

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事前調査レポート【『傲慢』世界について】ページ5

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過去13回の事前調査により、『傲慢』世界はイデアとほぼ同じ地表環境であることが分かった。
植生・気候は我々の地球と同じで、ケッペンの気候区分に当てはめることが出来ない地域は存在しない。
空気中の組成比、魔力濃度もイデアと極めて等しい。
もし大気中の魔力濃度がイデアよりも高いのであれば、『傲慢』世界の魔法使用者の魔法威力は我々よりも高いものであると推測できるが、その心配は必要なさそうである。
これより、『傲慢』世界の魔法技術,威力は我々の世界と等しいととって良いだろう。

現地住民への聞き込みによって明らかになったのは、『傲慢』世界の歴史は現代まで我々のものとは変わりなく、分岐が起きたのはそう昔ではないということだ。
約100年前に災厄が権能を発現させたらしく、そこから世界の構造が少しずつ変わっていったそうだ。

食料に困る地域は存在しない。
全人類が温帯付近の、比較的住み心地の良い地域に住んでいるのだ。
そしてもう一つ、気づいたことがある。
我々は女性・子供の現地住民しか確認できていない。
政治は全て女性が動かしており、男性の影など少しも見えない。

男達は、あの全展望監視型監獄(パノプティコン)に囚われているのだそう。
全展望監視型監獄(パノプティコン)地下にて、剣闘士として皆(ここでは女子供のことを指す)に娯楽を与えている。
私の脳内に、『パンとサーカス』という言葉がよぎる。
現代でありながら古代ローマに戻っているのだ。

2枚目レポートには、現地協力者について報告する。