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❁⃘*.゚
「作戦名!俺は聞いてみたいな、マリア所長が考えたんだろ!」
ローガ第一戦闘部隊隊長の言葉を筆頭に、これまでの張り詰めた雰囲気が嘘のように、皆が声を出すようになる。
「私も聞きたい!」「僕も!」
そんな声を聞き、一つ咳払いをして、マリア所長は皆へと告げる。
「『みんなで傲慢世界を救っちゃおう大作戦〜パノプティコンってちょっとかっこいいね〜』とか...?」
「そんな口語的な作戦名、誰の士気も高まらないと思うよ、マリアくん。」
マリア所長の背後から聞こえた、聴き心地の良い穏やかな声に、注目が行く。
本来であれば落ち着くその声も、発した言葉が的確なツッコミのせいで、たちまち皆を笑わせた。
少しでも明るくなった雰囲気を感じつつ、オーウェン副所長は話を続ける。
「正式な作戦名は『Silence of Lucifer』、メノス・アロガンの魔法・災厄の権能を意識した作戦名だよ。皆はもう知っていると思うけれど、彼の声は僕達の行動を制限する。対処法を見つけるために、今回は本格調査、次回は作戦実施という形だ。くれぐれも災厄に変なちょっかいを出さないでくれよぅ!」
己の精神を律するためか、勢いのついた大声で返事をした戦闘部隊達は、各々が行くべき場所へ向かった。
第一戦闘部隊全員がジャンプ適正検査を行い、【カプセル】内部に入ったことを確認し、エンジニア達は【カプセル】を本格起動させる。
〔【超空間専用装置】起動。システムロック解除。システムオールグリーン。高度空間移動魔法の術式確認...異常無し。認証コードを入れ...認証完了。本格起動します。ジャンプを実行される場合は、周囲に職員がいないか確認し、実行して下さい。繰り返します。ジャンプを...〕
「皆の無事を祈る。『傲慢』世界へのジャンプを許可します!」
その言葉の直後、【カプセル】内部の人型が無くなる。
数十秒後、モニターに映し出されたのは、先程まで目の前にいた第一戦闘部隊だった。
事前調査レポート【『傲慢』世界について】→←第一節 本格調査開始
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作者名:ホッケ | 作成日時:2020年9月27日 12時