顔に傷がある女 3 ページ5
「宇佐美上等兵、」
「うるさいッ！」
ようやく口を開いたかと思えば、そんな言葉だった。私の制止の言葉など耳に入っていないかのように、だんだんと舌が上に上っていき、ついには左頬にある傷跡に辿り着く。
宇佐美上等兵はそこに口づけると、ちゅう、と音を立てて吸い付き、舌を這わせた。それと同時に、彼は私の胸元に手を滑り込ませると、服越しではあるが、乳房に触れる。
「その傷跡だって、本当は僕の……！！…っ。……。…」
そこで何かを言いかけたものの、ハッとしたような表情になり、結局最後まで口にすることはなかった。大丈夫かとたずねれば、何でもないと彼は答える。
「…抵抗しないんだな、お前。もし僕がお前のことを姦したらどうするつもりだ？」
先程とは打って変わって落ち着いた様子の宇佐美上等兵が、静かに問いかけてきた。相変わらず私の身体をまさぐっていたため説得力はないのだが、一応は真面目に答えてみることにする。
「どうもしません」
「……へえ。じゃあ、百之助や菊田特務曹長にされたら？」
「同じことです。…全部どうでもいいんです。どうでもいいから、何も思わないんですよ」
表情を変えずににっこりと微笑んでみせた。
宇佐美上等兵は一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐにいつもの調子に戻ると、「あっそ」と言って私の上から退いた。そしてそのまま私が来た方向とは別の方へと歩き出す。
「つまんない女」
最後に吐き捨てるように言うと、宇佐美上等兵の足音が遠ざかる。
……何だったんだろうか。
そう不思議に思いつつも、私は乱れてしまった衣服を直すと、彼とは反対方向へと足を向けてその場を後にした。
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塩わさび(プロフ) - あもさん» ありがとうございます。鯉登とは光属性なので、一応、のんびりほんわかな雰囲気を意識してます…！ (2023年1月9日 1時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さんとの絡みが面白くて可愛くて、ほっこりします／／／ (2023年1月3日 8時) (レス) @page29 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 本作品でもコメントありがとうございます。鯉登くんもお好きなんですね！最後まで楽しんでいただけると幸いです。 (2022年12月31日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さんルート！！！鯉登さんも好きなので／／／ (2022年12月31日 20時) (レス) id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2022年12月31日 18時
