小樽行きの汽車にて 3 ページ23
私は驚いてビクっと体を震わせると、鯉登少尉は私を見下ろした。先程まで赤く染まっていた頬は、すっかり元に戻っていた。
「そういう発言は、」
鯉登少尉はそこで言葉を区切り、一呼吸置く。
「……。…。…そういう発言は…男を勘違いさせるから……気をつけたほうがいい」
「…はぁ」
「特に……この間の旭川の様な連中なんかそうだ。…わかったな？」
彼の切れ長な瞳が、私の目を捉える。思わずこくりと小さくうなずくと、彼は「わかったならいい」と言って再び席に座る。
彼の言葉の言うとおりならば、先日、私に絡んできた旭川の兵士たちの様な人たちだというと、私の様な女に絡む物好き…ということになるのだろうか。
そうすると、宇佐美上等兵のような人も当てはまるのだろう。確かに、彼はよく勘違いをして、激昂してくることが多いし。ならば尚更、彼のような人に言うのは止したほうがいいのかも知れない。
「そうですね。今後は、鯉登少尉殿だけにします」
「……」
空気が凍ったような気がする。鯉登少尉は黙ったまま、私を見据えていたので、時間が止まってしまったんじゃないかと錯覚するぐらいだ。
しばらく待って漸く動き出した彼は、私から視線を窓の外へ移し、天を仰ぎ、最後に再び私を見た。そして、大きく息を吐く。
「…全ッッ然、分かっとらんではないか！！このばかすったれ！！！」
鯉登少尉は大声で怒鳴ると、「フンッッ！」と鼻を鳴らして私に背を向けた。
……やっぱり、私の発言はどこかおかしかったのだろうか。
私は、自分の発言を振り返りながら、一人静かに反省をするのであった。
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塩わさび(プロフ) - あもさん» ありがとうございます。鯉登とは光属性なので、一応、のんびりほんわかな雰囲気を意識してます…！ (2023年1月9日 1時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さんとの絡みが面白くて可愛くて、ほっこりします／／／ (2023年1月3日 8時) (レス) @page29 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 本作品でもコメントありがとうございます。鯉登くんもお好きなんですね！最後まで楽しんでいただけると幸いです。 (2022年12月31日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さんルート！！！鯉登さんも好きなので／／／ (2022年12月31日 20時) (レス) id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2022年12月31日 18時
