旭川第七師団司令部 4 ページ13
「鯉登少尉！お待ちください！」
兵舎の外に出ると、ちょうど前方に鯉登少尉がいた。私は急いで彼を呼び止める。
「なんだ！！私は急いでいるんだ！」
「急ぐ気持ちはわかります。ですが、司令部のどこへ向かうかご存知なんですか？」
「……」
私の声に振り返りながら、鯉登少尉が立ち止まって黙り込む。その様子に、彼が行き先を知らないことがすぐにわかった。
「司令部の2階の応接室です」
「応接室だと…？」
「はい。報告によれば、網走監獄の犬童典獄と名乗る人物が、こちらにいる白石由竹を引き渡すようにと要求してきたようです」
「それを早く言わんか、バカタレッ！！」
彼は私にそう怒鳴ると、また走り出す。慌てて後を追い、私たちは司令部へと向かった。
司令部へとたどり着き、階段を駆け上がる。そして、指定された部屋の前に立つと、私は深呼吸をし、ドアをノックしようとドアに手を伸ばす。だが、それよりも鯉登少尉がドアノブに手をかけて、開けてしまった。
「どうした鯉登少尉、A嬢」
中にいた淀川中佐が驚いたように私たちを見る。彼の側には白石由竹がおり、窓際には覆面の男と、犬童典獄らしき男がいた。
「鶴見中尉が旭川へ到着するまで、白石には誰とも接触させるなと指示されているはずですが…」
「まさか中尉の指示を聞かず、ご自分の独断で、白石由竹を連れて来た…なんてことはありませんよね、淀川中佐殿」
「中尉の言いつけを守らんといけないのですかな？淀川中佐」
「…ッ戻れ！お前らなど呼んでおらん！！」
わざとらしく私と鯉登少尉がそう言うと、図星だからなのか、淀川中佐が声を荒げる。すると、鯉登少尉は「犬童さま」と犬童典獄と思しき男の方へ向くと、口を開いた。
「
聞いたことのないような言葉だった。
相手の男たちが困惑しているのがわかる。
外国語か何かだろうかと思っていると、先程のは薩摩の方言で、犬童四郎助は樺戸監獄で薩摩藩の囚人と接する機会が多かったと説明した。だから、薩摩弁はわかるだろうという。
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塩わさび(プロフ) - あもさん» ありがとうございます。鯉登とは光属性なので、一応、のんびりほんわかな雰囲気を意識してます…！ (2023年1月9日 1時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さんとの絡みが面白くて可愛くて、ほっこりします／／／ (2023年1月3日 8時) (レス) @page29 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 本作品でもコメントありがとうございます。鯉登くんもお好きなんですね！最後まで楽しんでいただけると幸いです。 (2022年12月31日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さんルート！！！鯉登さんも好きなので／／／ (2022年12月31日 20時) (レス) id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2022年12月31日 18時
