放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ13)

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148:予感の答え　ニノSide ページ13

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「死んだ恋人を思い出すんだってさ・・・お前といると。

その話は聞いたことあんだろ？

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無意識にあの恋をくりかえしてたって。
終わってしまった恋の記憶を塗り替えたかったんだろうな。

なのに結局、一緒にいても塗り替えるどころかまた失う怖さばっかで。
耐えられなかったのかもしれない。

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切ない話だよね、しかし」

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隣の松本は、言葉を探すようにグラスの水滴をなぞる。

櫻井が深い深いため息を吐いてから、ありがとう、そう呟いた。

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翔「失いかけてはじめて、その大切さに気付くって・・・
俺、いままさにそれ(笑)ばかだよな・・・」

潤「しかも職場一緒だしな。やってけんの？」

翔「つき合った時から、仕事と恋は割り切る覚悟だったから」

潤「割り切れない状況になっちまってるけどな」

翔「励ませよ少しは(笑)」

潤「聞いたばっかで、頭が追いつかねぇんだよ(笑)」

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追いつけバカ、そう言ってぎこちなく笑ってから

また一つため息をついた櫻井が俺に聞いた。

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翔「Aは、大野の気持ち知ってんの？」

二「すげぇな、まだ聞く余力あんの(笑)？」

翔「知ってんのかって」

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二「・・・あぁ、知ってる」

翔「大野のこと、好きなんだろ・・・Aも」

二「・・・・・」

翔「はっきり言えよ」

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二「大野って名前を口にするだけで、泣くくらい。そう言えばわかる？」

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賑やかな客が後ろをガヤガヤ通り過ぎていく。

俺の言った言葉を、黙って受け止めたまま何も言わなかった。

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賢い奴だから

ありったけのことを考えて考えて、俺んとこに来たんだろう。

知りたいからじゃなく、自分の予感が本当か確かめたかっただけだ。

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ただ予想外だったのは

その予感以上の答えを聞いてしまったことくらいだろう。

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グラスの残りを慌てることなく飲み干してから、櫻井は帰って行った。

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俺は

未だ頭の中がごっちゃごちゃだという松本の質問攻めにあいながら

意地っ張りのあいつと、大野が一体今どうしてんのか気になった。

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