10*お酒の誘惑 ページ10
「お兄ちゃん飲みすぎだって」
「うるせぇ・・・何で・・・何で俺を見ない・・・」
赤坂夏樹。15歳。
親にバイトだと嘘ついてお兄ちゃんの家にこっそり訪問し、焼き肉屋に連れてってくれた。
昔から何事も努力を惜しまず、勉強もスポーツも何から何までこなす自慢のお兄ちゃんだ。
そのうえイケメン。
学生の時でもめちゃモテていた。
そんなお兄ちゃんは今お酒を飲んで、酔っぱらっている。
ちなみにお兄ちゃん家の近くの焼き肉屋に徒歩で行ったため、飲酒運転の心配はない。
「俺がこんなにも伝えているのに!!!」
そして分かったことがある。
お父さんを受け継いでるって言い方はしたくないが、酔っぱらい方が似ている。
そしてそれ以上に好きな人いないって言ってたのに本当はいるってことに驚かされた。
さっきまではあんなクールにいないと言ったのに。
酔ったのをいいことに私は探りいれた。
「お兄ちゃん、その人ってどんなの人?」
「高嶺の花の可愛いこの世の宝の天使」
「ワード多すぎてもはやどんな人か分からないよ」
「もう先輩がいれば仕事頑張れる」
「年上か」
へぇ。まさか年上を好きになるとは。
昔は可愛くて守ってあげたい子が好みと言っていたから、年下かな?と思っていた。
確か元カノも年下だったような気がする。
「その先輩って、お兄ちゃんのこと好きなの?」
「・・・分からない。ずっとアピールをしてるけど、全く揺らいでない。けど絶対振り向かせてやるんだ。いつかは俺がめっちゃ稼いで豪邸をプレゼントして、夏樹にもいい暮らしをさせてあげるんだ」
結婚はちょっと気が早い気がするけど、お兄ちゃんらしい。
お兄ちゃんは努力家だから、きっとその先輩さんのことも幸せに出来るんだろうな。
「そしたら結婚式には呼んでね」
「・・・もちろんだ。先輩めちゃめちゃきれいなんだ。その姿を見せてあげたいよ」
「楽しみにしてる。それまで私も耐えるから」
お兄ちゃんは努力家で、勉強もできて運動もできて、かっこよくて。
小さいころから私が暴 力を受けないよう、お兄ちゃんがずっと庇ってくれたのだ。
そんなお兄ちゃんはその先輩さんをおとすことも、私を幸せにすることも不可能じゃないって。
私は酔っぱらったお兄ちゃんを見て思うのだ。
「さーて。帰りますか。お兄ちゃん、早く帰る準備して」
「ここは俺の家だ」
「違うよ馬鹿」
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時