6*貴方が生きがいなんです ページ6
「先輩、おはようございます」
「・・・おはよう」
「元気ないですね?モ○スター買ってきますか?」
「何そのチョイス」
「元気出ませんか?」
「出ないわよ」
今日も偶然を装って駅で待ち伏せして、先輩と会社まで向かう。
いつも以上に険しい顔(そんな顔も可愛いけど心配だ)した先輩はやはり俺を突き放さない。
まだまだ振り向く様子はないが、可能性はゼロじゃないと思っている。
負けるな俺!絶対先輩を攻略するんだ!
そう心で宣誓し、俺は今朝見たニュースについて話題に出した。
「今日のニュースで、少子高齢化が深刻化してるってやってましたね」
「え。ニュース見るのね」
「見ないと何も知らないのかこれだからゆとりは、とか言われちゃうじゃないですか。それに色んな事に視野を広げると、色んな人と話せますし、もっと世界観広がりますし大事ですよ」
「そうね私もゆとりだった。そうね、なりたくてなったわけじゃないのに」
「国がそうしたわけなのにひどい話ですよね」
ニュースを見る俺に先輩は驚いていたが、俺の意見にもしっかりと耳を傾けて意見を言ってくれた。
俺は話をするのが好きだ。
しかし知識がないと話題についていけず、話が進められなくなる。
ニュースを見ることによって、大体の世の中の流れを理解することが出来るのだ。
「やっぱり、保育士も不足してるんですよね」
「そうね、でも会社の問題もあるわ。育休があっても、周りが冷たかったりするじゃない。うちの会社でもあったわ。私の1個下の後輩が育休取ろうとしたんだけど、部長が凄く嫌味たらしく言ってきたらしくて。周りの人間関係も原因よね」
「こればかりは国よりかは俺たちが意識すべき問題ですね」
そうやって先輩と討論しているうちにうちの部署の階についてしまった。
残念だ、もっと話を繰り広げて結論に導きたかったのに。
「結構話せましたね。佐倉先輩とは考え方が少し似ていて、共通する意見がありましたね。楽しかったです」
「・・・」
じゃあまた、というと先輩が俺の服の袖を掴んだ。
突然の先輩のデレ(?)に俺はびくっとする。
やっばい。
「貴方のことちゃんと見ずに、馬鹿だと勘違いしてたわ。御免なさい。それから」
今日の話の続きは帰りにしましょう、そういって先輩は席に着いた。
俺の心臓はいつまでたっても鳴りやまない。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時