45*先輩と、 ページ45
「貴方と付き合うことで、メリットは？」
「一生幸せにします。来世でも、」
幸せな生活がおくれることを保証します。
そうやって言えば先輩は、
「重すぎる」
といって思い切り笑った。
このやり取りはそう、俺が初めて告白した時の頃もしたものだ。
だけどあの頃の何倍も先輩のことが好きだ。
「重い俺のことを好きになった先輩が悪いんですよ。だから先輩は俺に愛されてください」
「馬鹿じゃないの。ホントに」
明日からまた会社に復帰することが出来る。
皆と遅れをとっているし、部署変更だってありうる。
だけど、先輩がいるから。
俺はどんな仕事だろうと、頑張れるんだ。
俺は今度こそ、先輩を駅まで送り届けた。
*
「佐倉ちゃん、今夜俺と飲みにいかないか？」
「部長。佐倉さんは私の恋人ですから、手を出さないでもらえませんか」
「ふっ言うようになったじゃないか。だが、まだ俺も諦めたわけじゃないぞ。何だって俺は」
「部長っそれなら私と付き合いましょうよ」
「部長！私はどうですか？」
部長を狙う女性社員が一斉に部長の所に集まったので、俺らは自分の席に座った。
女性社員をたぶらかしてるだけではある。
仕事は出来ても女好きですぐに口説く癖は直した方がいいと思う。
「おはよう。そしておめでとう」
「ありがとうございます。今まで相談に乗っていただきありがとうございました」
「いやぁ長かったような短かったような。これからは惚け話ばかり聞かされそう」
「あはは。でも山田先輩は呆れつつも聞いてくれるんですよね」
山田先輩は「付き合えたからってこのー」と言いながら俺の頬を引っ張った。
佐倉先輩の隠しきれない視線に、少しだけ笑みを零した。
あとで先輩の所に行こう。
*
「先輩、そう拗ねないでくださいよ」
「何を言ってるのか分からないわ」
「山田先輩と俺は何もないですって」
「・・・」
うーん。ツンデレな先輩は素直になれない。
今までは振り向かなかったのに、先輩は意外とやきもち焼きだと知った。
可愛い。天使。
「先輩好きですから」
「どのくらい？」
「豪邸を今すぐ買えるくらいに」
「おっも」
「でも俺の事好きなんでしょう？」
その問いに先輩は、
「好きよ」
と堂々と、顔を赤くしながら言った。
赤坂柚希、22歳。
大好きだった先輩を攻略することにようやく、成功しました。
end。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
