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39*足りないものを埋め合わせ ページ39

目が覚めた時には俺は病院にいた。


以前と比べて細くなった腕を見て、こんなんじゃ誰の事も守れないんじゃと気分が落ちた。


ああ、無性にご飯が食べたいな。


でも病院だと味気ないご飯しか出されないし、量も少ないだろう。


今はジャンクフードが食べたい。


ナポリタンもいい、大盛りで食べまくりたい。


退院はいつかな、ご飯沢山食べたいななんて考えていると、



「・・・先輩?何でここに」



ベッドに横たわる俺の隣にいたのは佐倉先輩だった。


私服の先輩夏休みぶりだ・・・相変わらず可愛いけど、目にクマが出来てる気がする。


先輩休めてないのかなというつもりで俺は、



「先輩、クマが出来てますよ。疲れてるのでは・・・しっかり休んでください」



そう言ったが先輩は信じられないという顔で、



「馬鹿じゃないの!?入院してるあんたが言うの!?」



物凄い怒られてしまった。


え、俺言葉選び間違えたのか。


先輩が顔を赤くしてふーと息を吐きながら俺を見た。可愛い。



「返事をするって言ったのに。私がする前に死 ぬなんてしたらぶっ殺 そうかと思った」


「死 んでもにぶっ殺 されるんですか俺」



とんでもないことを言われた気がするけど、まぁ可愛いからいいや。


それにしても、疲れ切った顔をしている。


俺が失踪してからの間、相当仕事が立て込んでいたのか。


その問いに答えるかのように、かつかつと靴音を鳴らして入ってきたのは部長だ。



「調子はどうだ?」


「大丈夫です。・・・え」



佐倉先輩と、いや佐倉先輩以上に顔がやつれた部長がそこにいた。


酷いクマだし、ビジュアルがいいチャラ部長はどこに行ったのかというレベルだ。


そんなに仕事が忙しい時に俺は連れ戻されたのか。



「君が無断で休むなんてと思って電話しても出ない。3日経っても出ないのは何かあったに違いないと思って警察にも連絡したし、もう大変だったよ・・・。警察と君の家にも向かったけど人の気配すらなかったしな。佐倉ちゃん達も必死に手掛かりを見つけて探していたんだよ」


「え、そうだったんですか。・・・すみません」


「いや。君の家庭事情に深く入り込む余地は俺にはないし、深く聞くことじゃないだろう。まぁ一番は君には嫌われてるなって自覚はあったからだけど」


「そんなこと」


「佐倉ちゃんといるときはやたらと俺を睨んでるのが分かったぞ」


「性格悪いです部長」


「ははっ」

40*暴け→←38*壊れた心を繋ぎとめるには



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設定タグ:恋愛 , オフィス   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時

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