26*天使は俺にファンサをしたんだよ ページ26
社交パーティーなので正装、つまりスーツで身を整えて会場に向かった。
色んな人がお洒落して談話している中、一人の天使の姿を捉えた。
言わずもがな、佐倉先輩だ。
いつもの黒髪はハープアップにまとめ、水色のミニドレスはいつもと違った雰囲気を演出している。
綺麗目女性というよりか、可愛らしい女性に変貌していて俺の心臓が持たない。
先輩は元が綺麗だから、そういう格好も似合ってる。
「いつもよりかはまともに見えるわ」
「いつもよりって!先輩は今日も美しいというか可愛いです。この世の天使です」
「こんな場所で言わないでくれる?」
司会役の人がステージに上がり「注目!」と声を上げた。
「さーてこれから毎年恒例パーティーが開催されます!今年もいろんなイベントがあるので、新入社員の子は楽しんでいって、来年に繋げて頂けたら、嬉しいです!」
「イベントって何あるんですか」
「カラオケ大会とか、男装女装コンテストとか。開催者によって毎年変わるわ」
「へぇ。先輩は出ないんですか」
「・・・いや」
「まずはカラオケ大会です!トップバッターは・・・あれ?いない?佐倉美月さーん」
what??
*
運を全部使い果たした気分でステージを見ていた。
佐倉先輩が、ステージで歌ってる。
いやアイドルかよ。いやアイドルよりも先輩の方が可愛い。
先輩はどういうわけか、部長に無理矢理カラオケ大会に参加させられたそうだった。
色々思う節があるけど、ステージで歌う先輩は大変尊いので、部長には感謝だ。
「先輩声が綺麗だな・・・」
いつも凛としていて綺麗な声だなとは思っていたが、歌まで上手いなんて。
ああペンラを持って応援するべきだった。
尊い気持ちを抑えながら先輩の歌う姿を目に焼き付けた。
「佐倉先輩って歌上手いんですね」
「そうだよ子猫ちゃん。凛としたよく通る声だなって思って参加してもらったんだよ。凄く嫌がってたけど・・・お、もしかして俺にファンサしてくれた?かぁ〜流石俺罪な男だなぁ」
「もー部長ったらぁ」
隣がうるさくて仕方ない。
部長、先輩のこの姿を見れたことには感謝しますが、同担拒否なのでその発言はやめてください。
しかも先輩は、俺にファンサしたんだし。
今手を小さく振ってくれたのは、紛れもなく俺に向けてだって解釈する。
絶対部長はあり得ない。
謎に対抗心を燃やしながら、先輩の歌う姿を眺めていた。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時