胃薬が十六錠 ページ21
地面を蹴る軽い音とともに、風が吹いている時特有の音が耳に入る。
地図と地形の見取り図は頭に入っている。
しばらく走り続けると、段々と周りが広くなって来ている事に気付いた。
『(村が近い…?それにしては妙な程静かだな…)』
一旦息を潜め、近くに生えている木の陰に隠れる。
辺りを見回しながら、左に一歩足を踏み出した。
その時だった。
プチンッ
『…!!』
急いでその場から飛び退くも、既に遅かった。
暗闇に紛れて仕掛けられていた無数の鈴が鳴る。
『罠、か。知性がある分厄介ですね…』
罠を仕掛けられる程の知性が残っている鬼がいる。
それも相当手練れの。
こうなったらもう、隠密作戦なんてしていられない。
一気に飛び出し、こちらに向かって来ている無数の鬼に向かって日輪刀の切っ先を向けた。
「おい!この女鬼狩りだ!」
『ご名答。では、全員死んで貰いますよ』
「なにッ…?!」
鬼の群れに突っ込み、片っ端から首を刎ねる。
道が広めな分、刀が大きく横に振れる。
そこはまだ運が良かったと言えるだろう。
陣形の優劣の理解、人数配置…
頭の切れる鬼はかなり骨が折れる。
この辺りにいる鬼はほぼ斬った。
先程村の入り口に入ったが、驚く程何もいない。
死体も無ければ鬼の姿も無い。
見張りで全部…な訳無い。
きっとどこかに隠れているはず。
すると
「あは、引っかかったぁ」
『?!』
やけに楽しそうな声が響いたと思った途端、先程までは居なかったはずの鬼の大群が出て来た。
『…囲まれましたか』
だがそんな事はどうでもいい。
『…全員、叩き斬ってあげますよ』
そう言い放ち、鬼の大群へと突っ込んで行った。
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ぷりっつ - 夢主ちゃんのスカートが膝より高い. ..ゲスメガネ呼んでこよう...チャキッ← (2021年5月9日 2時) (レス) id: 8a7ce8997d (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 絵に一目惚れしました……!!面白い!すごい!!! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ガコ - この小説、すごく面白いですね! あと、33の時、すごくカゲロウテイズっていう歌に似ていますね! (2019年11月25日 0時) (レス) id: 8244513a71 (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - コメントありがとうございます!素晴らしい作品だなんて勿体無いお言葉です…!続編もよろしくお願いいたします!! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
緩莓 - 本当に最高です!!!こんなに素晴らしい作品に出会えて光栄です(´;ω;`)更新お疲れ様です!続編も読みます!これからも頑張ってくださいね! (2019年10月5日 7時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
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