胃薬が十五錠 ページ20
僕は、Aの言葉を聞くたびに涙を堪えるのに必死だった。
本当は行かせたく無くて、ずっと側にいて欲しくて。
死なせたく、なくて。
それでもAの決心は硬くて。
また何も無い空っぽで退屈な日々を過ごすのは嫌だ。
『…ならばこうしましょう』
「…?」
『''私がもし日が昇る前に帰って来なかったら、地図で示した場所に来て下さい''と、皆さんに伝えて下さい』
それは一体、どう言う事だろう。
でも、考えている時間は無い。
急いで伝えなきゃ。
「分かった…絶対行くからね。死んだら…許さない、から…っ」
あぁ、駄目だ。
涙が勝手に出て来て止まらない。
『大丈夫です。実は私、こう見えてもしぶとい方なんですよ!』
「っなに、それ…」
『ふふ、ではそろそろ行く時間ですので失礼しますね』
皆さんによろしく頼みますよ!と言って、Aは行ってしまった。
「………ぁぁ」
A、ごめんなさい。
生きて帰る、って言葉…
信用出来ないよ…ごめんなさい…
行かないで、と伸ばした手と声は届かない。
嫌だ嫌だ嫌だ。
Aが死んだら僕の生きる意味が無くなってしまう。
「絶対、死なせない…」
両手を強く握りしめ、僕は他の柱の元へと向かった。
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ぷりっつ - 夢主ちゃんのスカートが膝より高い. ..ゲスメガネ呼んでこよう...チャキッ← (2021年5月9日 2時) (レス) id: 8a7ce8997d (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 絵に一目惚れしました……!!面白い!すごい!!! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ガコ - この小説、すごく面白いですね! あと、33の時、すごくカゲロウテイズっていう歌に似ていますね! (2019年11月25日 0時) (レス) id: 8244513a71 (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - コメントありがとうございます!素晴らしい作品だなんて勿体無いお言葉です…!続編もよろしくお願いいたします!! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
緩莓 - 本当に最高です!!!こんなに素晴らしい作品に出会えて光栄です(´;ω;`)更新お疲れ様です!続編も読みます!これからも頑張ってくださいね! (2019年10月5日 7時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
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