第8話 ページ10
あれから私はどの石を選んでいいのか分からなかったので、適当にビビッと来た石を選びました。
で、刀が出来るまで時間が掛かる為、皆は一旦自分の家…まぁ鍛えて貰った家に戻るのだそうだ。
確か''育手''だったか…その人達の元へ戻って、選別時に溜まった疲れを癒しながら刀が来るのを待つのだそう。
とは言っても私にその育手さん?とか言うのは当然いない訳で。
どうしていいか分からず、その場でおろおろしてたら私の鎹鴉…いや鎹鷹が肩に止まって低い声でこう言った。
「オ前ハ私ニツイテコイ。コチラダ」
と言って私の肩から飛び立った。
急いで後を追って結構走ったなぁ…
30分以上は走った気がするなうん。
『…ここって』
「ココハオ前ノ家…''楸家''ダ。…何ダ、自分ノ家スラ忘レタノカ?」
いやめっちゃ知ってるけども楸家。
私の名字で、結構由緒ある剣術道場だよ。
歴史がある事は父や母から聞いてたけど、大正時代には既にあったとは。
結構続いてるんだな。
『…え、あ…ありがとう』
「…変ナ奴ダナ。デハ私ハオ前ニ任務ガ入ッタ際ニ再ビ此処ヘ来ル」
それだけ言い残して鷹は去って行ってしまった。
昔の楸家の当主って確か凄く怖い人だったって聞いたけど。
帰って来るなりいきなり怒鳴り散らされたりしないかな。
『…た、ただ今帰りましたー…?』
ガラガラと音を立てて開く扉。
だが、何故か家の中は真っ暗だ。
留守…な訳ないか。
僅かに人の気配と、不思議と懐かしい匂いがする。
『あの』
「Aッ!帰ったのか?!」
『わぶぁッ』
廊下を少し進んで再び声を発した時だ。
突如として近くにあった部屋から何かが飛び出し、私に抱きついて来た。
痛い痛い、この人力強すぎない?!
「あぁ、鬼になった上に呼吸も使えない子供が生き残れるなんて…」
『……………ん?』
…私が鬼だって認知してるのこの人?
呼吸も使えないって…いやそもそも呼吸ってなんぞ??
「よく帰って来てくれたね…!よかった、よかった…!」
ぼろぼろと涙を零しながら抱きつく力をさらに強くする。
声の感じからして女性だな。
この女の人マジで力強すぎるって本当に痛い。
とりあえず抱きついている女性を引っぺがし、我に帰った女性によって部屋に招かれる。
そこには、見慣れた道場が広がっていた。
152人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃太郎 - はわわわわわ…おもしろすぎる!もう本当最高ですね!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: d7c2ad39a2 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - はいぃい!待ってたー!こうゆう小説待ってたー!!やっと見つけたー!やはり、善逸かわいいですねぇー!お気に入り追加しました!!更新がんばってください!続き楽しみにしてます!! (2019年11月8日 11時) (レス) id: ccef1d61ae (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - チョコレートさん» コメントありがとうございます!!前々から書きたかったものを詰めただけですが…楽しんでいただけたらのなら何よりです! (2019年11月8日 9時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - やだもう何これ!めっさおもろいやないですか!!はぁ…トリップとか……最高かよコノヤロウ!更新頑張ってください!応援してます! (2019年11月7日 19時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ