【文スト】(太宰治)あなたの無効化で。＊完結

太宰side【夢2】 ページ25

「ふぅ…助かったよ、ありがとう」


「心臓に悪いのでもう止めて下さいね…！」


「あの時、君に……入水はダメだと言われてから私、1度も川に行っていないのだよ」




これは入水をやめた禁断症状なのか…？


そんなどうでもいい事を考えていると、Aちゃんの表情が曇りだした


そして、ぽつりぽつりと衝撃的な過去を話してくれた





「実は…父がいなくなって、その後母が追うように入水で死んだんです。

川の下流で発見されて……
でも、後から考えると太宰さんには何の関係もないですよね！あはは……！」






君は本当に顔に出やすい



無理に作った笑顔も泣き顔にしか見えないのだよ




「・・・」








＿＿気が付けば彼女を抱きしめていた



「えっ…あ……の……太宰さん!?!?」



「いいから、ね？」








「君はよく頑張ってきた」









「う"っ……ぅっ……」






嗚咽混じりに泣く君

そこで、ある事実に気付く…









社長の異能力が効いていない……






今も彼女の異能が発動している

＿そして私の""人間失格""も



まだ完璧には自分で制御できないようだ









「ねぇ」


「ｸﾞｽﾞｯ……なんでずが？」


「…いいや……なんでもないよ」


「はい…」









＿君は私の前でだけ泣けばいい


＿私がいれば社長の異能は必要ない







そう思ってしまうのは我儘だろうか…









そして、やっとこの気持ちの正体に気付く









私は…彼女に"恋"をしている

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