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土方「んじゃあ、明日な。」
駅まで土方くんは送ってくれた。
A「うん、明日。」
私が怯えているのに気付いて少し離れて歩いてくれて。
やっぱり、あのクラスは他の連中とは違う。
温かい人達なのだろう。
A「あ、土方くん。」
背を向け、反対方向へ歩き出す彼を呼び止める。
A「今日は本当にありがとう。アレ結構危機だったんだ。」
薬に頼らず回復させられたのはきっと、土方くんが黙って隣りに居てくれたからだろう。
私が手を振れば照れくさそうに目を逸らして、軽く手を上げてくれた。
何か、ここでなら変われるかもしれないな、私。
彼の背中が見えなくなってから私も駅ヘ向う。
今日、私はここの本屋で兄さんを待つ。
一人で電車に乗るのが今日は怖いのだ。
この本屋は静かで時間帯的に人が少ないから居やすい。
A「あ、新作でてる。」
自分の好きな作家の新作を手に取り、軽く開く。
今回のは青春物か...珍しいな。
いつも人間の本質を主にしたドロドロとした物ばかり書いていたのに。
A「センセイとの恋、ね。」
別にそんなものではない。
私は媚びを売る気もないのに。
他にはそう見えてしまうのか。
私の高杉への好きってきっと、これに近いのかな。
A「傍に居てくれるだけで、よかった。」
初めの一文を声に出して呼んでしまった。
『別に好きになって欲しい訳でも、特別にして欲しい訳でもない。
只、他の生徒と同じ様に相談に乗って、叱ってくれて、笑いかけてくれる。
その些細な一瞬の事だけで私は幸せだった。』
気付けば私はすっかり本に入り込んで居た。
よく勉強を教えてくれていた近所のお兄さんと、自分の担任として再会する所から始まるこの話。
主人公は明るく前向きで、異性からも同性からも人気。
センセイは少し控え目で、顔は良いのだが、頼り無い。
まるで反対の世界。
A「ま、小説はそんなものか。」
私は本をレジまで持って行く。
兄さんがそろそろ来る頃だろうし。
鞄から財布を取り出す。
「これも一緒に。」
大量の推理小説をカウンターに追加で置かれる。
聞き覚えのある声に顔を上げるとやっぱり、そうだった。
A「何で、ここに居るの？」
涼しい顔でまとめてお金を払ってくれる。
高杉「銀八の野郎、急に入った仕事で今日は迎えに行けねぇと。」
また、か。
兄さんは最近忙しそうだ。
けど何故、高杉を寄こすんだろう。
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ゆじゅ(*^^*) - すごい感動しました！！！！頑張ってください！！！！(´；ω；`) (2018年8月10日 13時) (
レス) id: b28f7c5037 (このIDを非表示/違反報告)
明日花 - とても面白いです。続き楽しみにしてます。 (2017年11月5日 20時) (レス) id: dffcc64210 (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅ(プロフ) - 同性だが、女怖えぇ(；´Д｀)土方朱璃ｻﾝも主人公も頑張れ!続き楽しみにしてます(*'▽'*) (2017年10月7日 22時) (レス) id: 717e2909d4 (このIDを非表示/違反報告)
ｋｕｒｏ - 面白いです！続き楽しみにしてます！ (2017年9月28日 2時) (レス) id: 6c3a526fbd (このIDを非表示/違反報告)
*Sumire* - 凄い面白いです！続き楽しみにしているので、頑張ってください! (2017年3月6日 22時) (レス) id: dcc2e7e9e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：土方朱璃 | 作成日時：2016年7月29日 3時
