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「....か。A!...A!」
誰かの声が遠くから聞こえてくる。
「ゆっくり息を吸え。...そうだ、上手いぞ。」
はっきり聞こえてきた。
誰かが私に触れている。
暖かい、落ち着く手。
高杉「ベッドに運んでやるから、暴れるなよ。」
あぁ、高杉か。
ここは保健室だからいて当然だね。
高杉「銀八に言ってくる。お前はゆっくり寝てろ。」
ベッドに下ろされて、高杉が離れて行く。
その手を私は咄嗟に掴んでしまった。
高杉「大丈夫だ、直ぐに戻って来る。」
私の気持ちを知ってか知らずか高杉はそう言う。
そして戸惑いながらも私の頭を優しく撫でて、保健室を出て行く。
二日目でもう教室に行き辛い環境になってしまった。
勝手な思い込みで教室に行くのを怖がってるのは自分でも解っている。
皆が皆、今までの連中みたいだとは限らない。
それも解っている。
だけど、怖いのだ。
冷たい視線が、私を笑う声が。
居るわけないのに、聞こえてくるわけないのに、感じる時がある。
刻まれた恐怖の記憶が私の身体を強張らせる。
A「教室に行かなきゃ。」
そう思うけど。
ベッドから起き上がる気力も、平然と教室に行く勇気も私には無かった。
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ゆじゅ(*^^*) - すごい感動しました!!!!頑張ってください!!!!(´;ω;`) (2018年8月10日 13時) (レス) id: b28f7c5037 (このIDを非表示/違反報告)
明日花 - とても面白いです。続き楽しみにしてます。 (2017年11月5日 20時) (レス) id: dffcc64210 (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅ(プロフ) - 同性だが、女怖えぇ(;´Д`)土方朱璃サンも主人公も頑張れ!続き楽しみにしてます(*'▽'*) (2017年10月7日 22時) (レス) id: 717e2909d4 (このIDを非表示/違反報告)
kuro - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2017年9月28日 2時) (レス) id: 6c3a526fbd (このIDを非表示/違反報告)
*Sumire* - 凄い面白いです!続き楽しみにしているので、頑張ってください! (2017年3月6日 22時) (レス) id: dcc2e7e9e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:土方朱璃 | 作成日時:2016年7月29日 3時