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16:高杉side ページ18

俺が煙草に火を点けると自然に出された灰皿。


A「で、で、トラウマって何?」


フォンダン・オ・ショコラを食べ終えて皿も片付けたAはテーブルを乗り出す勢いで俺に問う。


高杉「昔、ある女に泣かれたのが始まりだな。」


コイツは覚えてないんだろうな、そんな事。


あれは2月14日のバレンタインデーだった。


俺はある女に指定の場所へ呼び出されていた。


約束の時間の数分前、別の女、その当時の彼女と呼ぶべき立場の女が俺にチョコを渡しに来た。


俺はそんなに甘い物も好きじゃねぇし、テキトーにその女をあしらって家に帰した。


高杉「どれくらい待っただろうな、軽く1時間は超えていた。」


だが、どれだけ待ってもその女は来なかった。


高杉「俺も諦めて帰ろうとするとな、物陰にその女がいた。」


相当泣いたのだろう、涙の跡が顔に残っていた。


そして、その女は大事そうに手作りのチョコを抱えたまま眠っちまってた。


高杉「何で泣いてたのかは俺も聞いてねぇから解らねぇ。だが、あの女の涙だけは見たくねぇんだ。」


俺が他の女と待ち合わせ場所で会っていた事が気に食わなかったのか。


女のチョコレートを突き返した所を見て、自分のも突き返されるのではと恐怖したのか。


または別の何かがあったのだろう。


A「随分その女の人の事気にしてるんだね。その人の事好きなの?」


好き、か...


どうなんだろうな。


高杉「その気持ちはよく解かんねぇが、アイツの作る菓子は気に入っててな。」


甘い菓子の筈なのにアイツのは甘くねぇ。


甘くても不味いとは感じない。


A「そんなに美味しいの?」


決して上手と言える見栄えではなかったな。


高杉「俺にとっては、な。」


どんなに他者が言う不味い代物だろうと、俺さえその味の良さを知ってりゃあそれでいい。


A「へぇ、高杉にそこまで大切に想われてる人って少し興味あるな。私は会った事ある?」


全く覚えていねぇのか、コイツは。


高杉「さぁな、あるんじゃねぇか?」


何にしろ、覚えてねぇならそれでもいいか。


そこまでコイツにとっても重要な事じゃなかったようだしな。


A「高杉って...」


何かを彼女が言おうとした時。


ドアの開く音がした。


銀八「ん?高杉居んのか?」


銀八の声を聞いて玄関に走り出すA。


コイツは本当に兄貴大好きだな。


A「お帰り、兄さん。」


ま、そうゆう所は変ってなくて安心したのは事実だがな。

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ゆじゅ(*^^*) - すごい感動しました!!!!頑張ってください!!!!(´;ω;`) (2018年8月10日 13時) (レス) id: b28f7c5037 (このIDを非表示/違反報告)
明日花 - とても面白いです。続き楽しみにしてます。 (2017年11月5日 20時) (レス) id: dffcc64210 (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅ(プロフ) - 同性だが、女怖えぇ(;´Д`)土方朱璃サンも主人公も頑張れ!続き楽しみにしてます(*'▽'*) (2017年10月7日 22時) (レス) id: 717e2909d4 (このIDを非表示/違反報告)
kuro - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2017年9月28日 2時) (レス) id: 6c3a526fbd (このIDを非表示/違反報告)
*Sumire* - 凄い面白いです!続き楽しみにしているので、頑張ってください! (2017年3月6日 22時) (レス) id: dcc2e7e9e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:土方朱璃 | 作成日時:2016年7月29日 3時

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