想っていても。 (ページ9)

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「中学の時、バスケ部だったんです。

自分で言うのもなんですけど、推薦ももらってて。

でも夏を目前に事故にあって、バスケできない体に

なって、推薦も取り消されて…

それから今日の体育のこと、

廊下で聞こえた話のこと、

全部先生に話して終わろうとしたのに…

「廊下で話聞いてたら、

急にっ…思…いっ出して…っ」

何回呼吸できなくなったら気が済むのよ、私。

フラッシュバックってこんなにも怖いんだって

すごく実感して…すごく怖くて…

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藤ヶ谷「もう言わなくていいから…

ありがとう、ごめんな。」

先生の手が、私の背中をずっと

よしよし、ってしてくれてて、

小さい頃以来の温かさに甘えて、声を出して泣い

た。

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いつもと変わらない朝が始まって1限目。

私よりも少し背が高いせいで見えない窓の外を

今日はぼーっと眺めてる。

…今日は隣に宏光がいない。

なんで、やっぱり私のせいなのかな、

私が宏光にあんな態度とったから…

ずっとそのことしか頭になくって、

いつものように授業そっちのけで1限目が終わった。