80話:第10幕 ページ43
shp side
｢……終わったか？｣
｢っすね｣
｢いやー！疲れた〜｣
横で先輩が大きく伸びをする。
流石に気ぃ抜きすぎやろ。何考えてんだこの人は。
舞台でAに何かが起こって戦えていないのは分かっていた。
そろそろAの方に行こうと後ろを振り向いた時、ゾムさんに向けられた銃口に気が付いた。
｢ゾムさん！！｣
咄嗟に叫ぶも、この距離じゃ間に合わない。
そして間髪入れずに響く発砲音。
そう、もっと後方から。
銃を構えた男は頭を撃ち抜かれ、スローモーションのように崩れ落ちた。
Aの白銀の拳銃が照明に煌めいていた。
｢ゾムさん！私は貴方が思う程何も出来ない小娘ではありません！｣
ゾムさんを真っ直ぐ見て舞台の方から歩いてくるAの迫力に俺達はその場から動けないでいた。
とうとうゾムさんの正面に立ったAは、悲しそうに呟いた。
｢私にも守らせて下さいよ……｣
｢……そうやったな、ごめん。どうかしてたわ｣
幹部の中でそこそこ頑固な方のゾムさんがすんなり非を認めた。
この二人の間に何があったかは知らないが、彼の手網は多い方がいい。
Aの方もゾムさんを信頼しているようだし、これからいいコンビになっていきそうだ。
彼に自覚は無いようだが恐らく薬も殆ど抜けたの
だろう。
先程のような鋭さも無くなっており、瞳も普段の輝きを取り戻していた。
しかし、無痛の作用も切れたせいか、痛みを感じ始め、だいぶ疲弊しているようだった。
右腕も早く治療しないといけない。
暫くすると、上の方が煩くなってきた。
戦闘前に呼んだトントンさん達が漸く到着したようだ。
きっとこれから忙しくなる。
自国内で完結するはずだった問題は、隣国が絡んでいたのだ。
知ってしまったからには此方もそれ相応の対応をしなければならない。
戦争屋の総統が下す制裁は一体どんなものなのだろうか。今から楽しみで仕方ない。
でも取り敢えず今は休ませてもらおう。
非番だったのにこの仕打ち、特別手当が欲しいくらいだ。
後処理は申し訳ないがトントンさん達に任せる事になりそうだ。
一仕事終えた後は煙草が吸いたくなる。
それに、こんな所に長居する必要は無いだろう。
燻る硝煙と死体達に背を向けて劇場を後にしたのだった。
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夜哉(プロフ) - mio@厨二病さん» レスが遅くなりました汗 閲覧ありがとうございます！イラスト大歓迎です！今後とも花喰いを宜しくお願い致します！！ (2018年8月25日 23時) (
レス) id: 8be93f7929 (このIDを非表示/違反報告)
mio@厨二病(プロフ) - はじめまして。この小説がとても面白いので好きです！本題なのですが、イラストを描かせて頂きました、下手ですけど…許可が降り次第ボードのほうにURL貼りにいくので、見てくださると嬉しいです！ (2018年8月24日 22時) (レス) id: 29850b4b9c (このIDを非表示/違反報告)
夜哉(プロフ) - 大豆もやしさん» お待たせ致しました！ (2018年8月4日 0時) (レス) id: 8be93f7929 (このIDを非表示/違反報告)
大豆もやし(プロフ) - こんばんは！！続編お待ちしてました(*´ー｀*) (2018年8月2日 23時) (レス) id: 2527d3c346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜哉 | 作成日時：2018年8月2日 23時
