転校先に婚約者がいるんだが【 桃 】

橘と桃城 ページ23

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ちゅ








と私が生きてきた中で聴いたことのない音が聴こえる。


私の頭は何故かソレを、冷静に判断した。




「(…ああ、キスされてるんだ)」




そう思うと、今更ながら顔がすごく熱いことを知った。


言葉のその先、はそういうことだったのか。


どくどくと心音がうるさい。


婚約者が顔を離すと、満足そうにしていて。


「…だ〜いすきだよ」


そう言うと、また同じように私を抱きしめる。


「…私、も」


「ん？」








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「私も…さとみのこと、好きだよ」




婚約者のことを呼び捨てにすること、敬語を外すことなんて、何年ぶりだろうか。


「…ちょっと待ってもういっかい！！」


「もう駄目ですよ？」


雰囲気をすぐに台無しにしたが、そんな婚約者も悪くない。


「…橘から、桃城にしてあげるから」


「ええ、もちろんです」








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「桃城と桃城」








になるその日を、待ち望んで。









END

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