Love scenario

22 HB ページ22

2週間ぶりなのに、浦島太郎の気分だ。

ここはどこだ。
俺はいったい誰なんだ。


ベク『そうそう、そこでチャヌが前に出て』
ジナン『ジュネ達は下がります？』

ベク『や、そのままでいいかな。それよりピタっと止まる方が大事』

ほぉ〜とバビが胡座をかいたまま手を叩いた。

なんだよ。
俺、今週も居なくて良かったんじゃね？
Aさん、居ないし。



ドン『暗っ！ヒョンどうしたの？』
『るせーよ…』

休憩に入るタイミングで俺の隣にドンヒョクが座ってきた。

ドン『まさか、A先生と喧嘩でもした？』
『…は？お前、何でそれを知って…』

ドン『えー、もしかしてベク先生のせいとか？』
『ちょ、待て。付き合ってる事は誰から…』

ドン『誰からって…そんなん見てたらバレバレ。ヒョンすごい顔して先生の事いつも見てるよ』
『すごい顔って…な、なあ、今日は何でAさん居ないの？』

ドン『聞いてないんですか？会議で遅れてくるって』
『…聞いてない』

ドン『あちゃー、じゃあ知らないか。ベク先生との事も』
『は？何だよそれ…』

ジナン『ドンヒョクー！マット運ぶの手伝ってー』
ドン『はいはーい！』


そりゃないよドンヒョク。
俺のモヤモヤ増長させてどうすんだよ。



ベク『こないだはどーも』


この人にどうやって答えたらいいんだよ。


ベク『ごめんねー？Aちゃん居なくて。俺しかいなくて』
『…Aちゃんって』


振り返ると、両手を上げて立っていた。



ベク『怖。殴らないでよ』
『別に殴りなんか…』


ベク『恨みっこなしね、ハンビンくん』
『…』

一体その余裕はどこから出てくるんだろう。
マジで少しで良いから分けて欲しい。

俺はこんなにも必死で、いつも精一杯でー…






ベク『Aちゃん！』




ああ、会議が終わって来たんだな。
そう思ったのに

立ち上がるベッキョンさんしか見れなかった。



Aさんを見るのが怖くて。



俺のこと、嫌いになった？幻滅した？

どうして、連絡くれないの？






ベク『お疲れ様です、A先生』
A『お疲れ様、あと20分だけど』



ベク『おしゃー、練習再開ー』




ベッキョンさんがAさんに背中を向けてから、やっと目が合った。

ひらひらと手を振ってくれるのに、俺はしょうもないお辞儀なんかして。




あー、カッコ悪い。

こんな俺、居なくなればいいのに。

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