17 you ページ17
小さくジャズが流れていて、離れた席から聞こえる笑い声と話し声に包まれて
少しだけ酔った私は、もうこのまま眠ってしまいたいとさえ思った。
『あーん』
ビョン先生…ベッキョン君の声が聞こえ目を開ける。
目の前には、小さなスプーンに乗せられた黄緑色が、少しだけとろんと溶けてる。
『あーんして。ピスタチオだよん』
『…アイスくらい自分で食べれる』
『残念、これジェラート』
『そういうこと言ってるんじゃな…』
『目ぇ閉じてていいから。はい、あーん』
言われるがままに口をあけた。
舌に滑り込む、なめらかな冷たさ。
甘さを残してすぐに無くなるけど、喉が渇く。
『…ドンへさんと、どうして別れたの?』
頭を預けているベッキョン君の肩は細いようでゴツゴツしていて。
なのに髪を撫でる指先は私より細いくらい繊細だ。
『私は、教員を目指してて。ドンへは、一般企業に就職活動をして。
続けていくうちに、二人の未来って重ならないねって話になって…。
それだけじゃないと思う。色々、たくさんすれ違ったんだろうね』
『…そっか。じゃあ、もうすれ違わないようにしなきゃね』
その言葉にハッとして、顔を起こした。
泣きそうな、悲しそうなハンビンくんの顔を思い出した。
隣にいるベッキョン君は、白ワインの入ったグラスをゆらゆら揺らしながら優しく笑っている。
『他の女の子と遊んじゃ嫌!って、言わなきゃ』
『言えないよ。だって、先生だったんだよ…?嫉妬なんかする私を知ったら、きっとガッカリするはず』
『ドンへさんにも結局言えなかったんじゃない?あの時俺に言ってた様な事。
言いにくいのはわかるけど、それじゃあAちゃんが苦しいじゃん』
困ったような笑顔はなんだか子犬みたい。
見た目は幼い大学生なのに、言うことはこんなにも大人で…。
こんなにも私の事を理解してくれてるなんて。
『…そろそろ帰る?俺、送ってくよ』
白ワインには1回も口をつけなかった。
ジェラートだって、半分以上残ってる。
なのに、どれひとつとして勿体ないとは思わなかった。
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りん(プロフ) - 泣いちゃう〜(/ _ ; )チャニョルくんのドジっぷりと誠実さに惹かれつつも、はんびんの切なさと痛みが同調して胸がぎゅっとなります( ;∀;)みんな一生懸命なだけなのに〜切なくなります(TT) (2017年9月23日 23時) (レス) id: 746ea699dc (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ボス猿〜!がんばれ、ボス猿〜!じよんとたぷに飲みに連れていかれたい...w (2017年9月3日 22時) (レス) id: 4b9c946da2 (このIDを非表示/違反報告)
がっちゃん(プロフ) - りんさん» テソン先生もバビくんもひっかき回せなかった2人を、これでもかとひっかきましてくれるであろうビョン先生に乞うご期待!笑 ヨンベの出番はこれにて終了の予定です。。笑笑 ミノが今回もおばかミノなのでそれもお楽しみに!! (2017年8月29日 13時) (レス) id: c8669e250c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ヨンベの絡み方が可愛くて、そしてちゃんと来いって言っとくから。ってやっぱり優しくて!バビは素直でおバカさんで可愛いし…!それからベッキョンくんは一体…!?(O_O)気になっちゃって、愛しい彼等がいるのにベッキョンくんのことを考えずには入られません…w (2017年8月28日 7時) (レス) id: 746ea699dc (このIDを非表示/違反報告)
がっちゃん(プロフ) - りんさん» りんさーん!コメントありがとうございます!今回も楽しく楽しく書いております…w ボス猿ってジヨン先生にわざわざ言っちゃう程、テソン先生は色々と悔しかったんだと思います。笑 新たなライバルにどう立ち向かうのか…頑張れハンビン!敵は手強いぞ← (2017年7月13日 21時) (レス) id: c8669e250c (このIDを非表示/違反報告)
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