11 you ページ11
やっぱり本当の事を話そうと電話をした時には
ハンビンくんは出なかった。
ごめん寝てた、と今朝LINEが届いたけれど…今更言うタイミングもなくて。
･
･
『何それ…朝まで…朝まで一緒に居たって…』
『覚えてないんだぁ…ま、二年前の事だしね？』
2人きりの体育館はやけに蒸し暑い。
早く出たいのに、足が動かない。
『私達、大学で会ってるの！？』
『知りたい？』
『…別に。』
『言おうっと。…ダンス部のOBの子達に。俺たち朝まで2人で居たって』
『…！なんで…』
『知りたいんでしょ？じゃあ明日。金曜の夜、ゆっくり話しましょ』
後ろにいたビョン先生は、いつの間にか私を追い越して前に立つ。
不敵な笑みを浮かべて、お疲れ様ですと帰って行った。
･
･
約束の時間は19時。
腕時計に目をやると、2分ほど過ぎていた。
『はぁ…』
ビョン先生と2人で食事だなんて、ハンビンくんが知ったら…心配するだろうな。
だけど。昔の事とはいえ2人で朝まで居たなんて知られたら。
きっと軽蔑される。
何か間違いを起こしたなんてことは有り得ないけど…。
いくら思い返しても、全く記憶にない。
『お連れ様がいらっしゃいました』
個室の扉が開く。
はっと顔を上げると、キャップにTシャツ、ダメージデニム姿のビョン先生。
『ご注文決まりましたらお呼びください』
私の方なんか見ずに、うっとりと彼を見て店員の女の子はそう言った。
『Aさん早かったね』
キャップを隣の椅子に起きながらニッと笑う。
『…早く終わったので…』
『今日は実習生居なかったからラクだった？態度悪いビョン先生も居なかったし』
『…！』
わかりやすい顔をしていたのか、彼はぶはっと笑ってメニューを開いた。
『怒ってる？俺がぶすーっとしてたこと』
『怒ってるっていうか…あの…』
メニューから顔を出して、ちらっと上目遣いでこっちを見る。
ペースを乱されっぱなしの私は、助けを求めるように呼び出しベルを押した。
『俺拗ねてたんだよ。はじめまして、なんて言うから』
お待たせしました、とさっきの女の子がキラキラとした瞳でやってきた。
『生二つと、カプレーゼと…あとは、バーニャカウダと仔羊のロースト。あとは…ピザも頼もっかな』
ベルを押したのは私なのに、全く迷うことなく
私に尋ねることもなくテキパキと決めていく。
『デザートは後で決めようね』
パタンとメニューを閉じて、にっこりと笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - 泣いちゃう〜(/ _ ; )チャニョルくんのドジっぷりと誠実さに惹かれつつも、はんびんの切なさと痛みが同調して胸がぎゅっとなります( ；∀；)みんな一生懸命なだけなのに〜切なくなります(TT) (2017年9月23日 23時) (
レス) id: 746ea699dc (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ボス猿〜！がんばれ、ボス猿〜！じよんとたぷに飲みに連れていかれたい...w (2017年9月3日 22時) (レス) id: 4b9c946da2 (このIDを非表示/違反報告)
がっちゃん(プロフ) - りんさん» テソン先生もバビくんもひっかき回せなかった2人を、これでもかとひっかきましてくれるであろうビョン先生に乞うご期待！笑 ヨンベの出番はこれにて終了の予定です。。笑笑 ミノが今回もおばかミノなのでそれもお楽しみに！！ (2017年8月29日 13時) (レス) id: c8669e250c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ヨンベの絡み方が可愛くて、そしてちゃんと来いって言っとくから。ってやっぱり優しくて！バビは素直でおバカさんで可愛いし…！それからベッキョンくんは一体…！？(O_O)気になっちゃって、愛しい彼等がいるのにベッキョンくんのことを考えずには入られません…w (2017年8月28日 7時) (レス) id: 746ea699dc (このIDを非表示/違反報告)
がっちゃん(プロフ) - りんさん» りんさーん！コメントありがとうございます！今回も楽しく楽しく書いております…w ボス猿ってジヨン先生にわざわざ言っちゃう程、テソン先生は色々と悔しかったんだと思います。笑 新たなライバルにどう立ち向かうのか…頑張れハンビン！敵は手強いぞ← (2017年7月13日 21時) (レス) id: c8669e250c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
