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デジャブ・・・からの23 ページ23

いつものごとく助手席を開けてくれる安室だが、助手席を難しい顔をしてみているAに「どうしましたか?」と尋ねる。
安室はAが車に乗ることを躊躇している事に気づいて困ったように苦笑した。

「やはり、事件の事。黙っていたことについて怒っていますよね」

怒っているわけではない。
ショックを受けているだけだ。
先ほどの事情聴取の最後に質問した内容に対しての佐藤の表情で分かった。
上層部からの圧力=警察庁=ゼロ
コナンの世界が好きなAにとってこの式は瞬時に考えついた。
それは安室が意図的にAを囮として使ったことを意味する。

これまで同じ職場で殆ど話すことができなかったが、それでもAと話したいからと安室からわざわざ早朝迎えに来てくれる程少しは仲が良くなれたと思っていた。
だが、それもAの思い込みだったことを今回の事件で思い知る。

安室は潜入捜査官。本心は見せてはくれない。
潜入先で沢山の人と仲良くなって、いろんなところから情報を得ようと常に目を光らせている。
今回の様にこの国を脅かす犯罪者を捕まえるチャンスがあれば多少の犠牲は厭わないだろう。
それもこれも。すべてはこの国の為。

その多少の犠牲が今回Aに当たっただけの事。
まぁ実際怪我はしていないからいいんだけど。
それでも、Aが思っている以上に安室とは上辺だけの関係だったことを実感した。
毎日が平和すぎて、安室が警察庁の潜入捜査官だと言う事をすっかり忘れて楽しんでいたAが悪い。
おかげでショックで潰れそうだ。
こんな気持ちになりたくなかったから傍観者・・モブの中のモブでいたかったのに。
気づいたらちょっと彼らの世界に片足突っ込んでるわ。危ない危ない・・

――よし。今からでもすべてのフラグと思われるフラグをたたき折ろう。

そう決意して、安室を見る。
黙ったままのAを不安そうに見ていた安室が急に頭を上げたAに少しビックリする。
そんな安室が年齢に似合わず可愛いなと場違いなことを考えながら安室に微笑む。

「今日は危ないところを助けてくれてありがとうございました。理由が何であれ、私が助かったことは事実です。何も知りませんでしたが、こんな私でも役に立てたようで、指名手配犯を逮捕できて良かったです。安室さんの申し出は嬉しいですが、少し一人になりたいのでここで失礼しますね」

メインの人たちとは程よい距離を保つからこそこの世界は楽しいのだ。
私は傍観者でありたいんだ!

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9Sに殺されたいロリコン - 主ちゃんって…美少女なんですかね? (2019年9月7日 13時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
うさまろ(o^^o)(プロフ) - 続きがとても気になる作品です。更新頑張ってください! (2019年6月9日 11時) (レス) id: 710cd8956c (このIDを非表示/違反報告)
丸井(プロフ) - フラグ…フラグだ!!逃げて主人公ちゃん! (2019年6月6日 22時) (レス) id: 08724b31ed (このIDを非表示/違反報告)
- 梓ちゃん良かったね!続き楽しみにしてます! (2019年6月6日 14時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです★続き楽しみにしてます。お身体に気を付けて更新頑張ってください! (2019年6月1日 4時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月21日 16時

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