ちょっとリアルなトリップモブ3

デジャブ・・・からの22 ページ22

本当は佐藤も忙しいだろうと断ろうかと思ったが、ここで断れば何かのフラグが立ちそうな気がした。
自分からお願いするのは苦手だが、先に相手から提示されると頼みやすいので「ではお言葉に甘えて、お願いします」と佐藤にお願いする。
ちなみに後からくると言っていた安室とは別部屋だったのか姿は見ていない。
今は何だか気持ち的に複雑な気分なので会いたくないので全然良いが・・・。

佐藤について行き駐車場に向かう。そこには綺麗な真っ赤なスポーツカー。
今更だけどスポーツカーの警察ってどうよ？
コナンの世界ってすごいよね。みんなで平気でスポーツカーや外車乗り回してぶつけるんだもん。
お金がいくらあったって足りねーよ。
そんなどうでもいいことを考えながら車に乗ろうとドアノブに手をかける。

「あっAさん！」

名を呼ばれたので振り返っると、駆け寄ってきたベビーフェイス。
何となく。本当に何となく今は会いたくなかった金髪野郎が登場した。

「今から帰りですか？」

安室の質問に「今から家まで送るところなんです」と佐藤が答えた。

「そうなんですか。でしたら佐藤刑事の代わりに僕が彼女を家まで送りますよ。ちょうど僕も事情聴取が終わりまして、担当してくれた高木刑事がまだ仕事が残っていると聞きましたので」

「そうなのよ。まだ後処理が残ってて、安室さんなら大丈夫ね！お願いしていいかしら？」

「もちろんです」

――なぜだ？なぜ当の本人無視して話を進めている？

「じゃよろしくね〜」

気づけばこちらに手を振りながら警視庁に帰っていく佐藤刑事。
それに笑顔で手を振り返す安室。
完全においてけぼりのA。

佐藤の姿が完全に見えなくなった所で「さて、帰りましょうか」と安室に手を取られる。
これってあれか？逃げられないやつか？と、さっき何気に感じたフラグをたたき折ろうと佐藤の誘いに乗ったのに、無理やり修正された気分だ。

――あれ？最近フラグ叩き折れ切れてなくない？あれ？

今日一日で物凄く頭を使っている気がする。
安室に促され抵抗する間もなく安室の愛車まで案内される。

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